実務者研修は介護福祉士を目指すうえで必須の研修です。本記事では実務者研修の通信と通学の最新事情や費用、支援制度などについて詳しく解説します。リモート活用のメリットやスクールを選ぶ際のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
実務者研修とは?リモート化が進む背景とその必要性
2020年以降、新型コロナウイルスの影響から、多くの研修・教育のオンライン化が急速に進んでいます。介護業界でもリモート化のニーズは高まり、より柔軟な学習形態が求められています。
実務者研修は、介護の基礎知識や技術を学ぶカリキュラムが組まれており、介護福祉士国家試験を受験するためにも必須とされています。これまでは教室での学習と実技講習を中心としていましたが、近年は一部科目のオンライン化が進んでいます。特に遠方に住む方や仕事をしながら学びたい方にとっては、自宅で学べるリモート環境が大きなメリットとなっています。
リモート化が進む背景には、社会全体のIT化だけでなく、人材不足が深刻化する介護業界の事情も大きく関わっています。通学に時間がかからない分、働きながらでも学習しやすくなり、学習継続率の向上にも期待が寄せられています。さらに、オンラインを活用することで学習教材を動画やeラーニングで提供し、いつでも復習しやすい点も注目されています。
リモート受講と通学(スクーリング)の仕組み
通信講座とスクーリングが組み合わされる実務者研修の学習形態を、リモートによる学習を交えながら紹介します。
実務者研修は大きく二つの学習形態に分かれています。まず、通信講座(オンライン学習含む)としてテキストやeラーニングを使い、自宅で介護にまつわる理論や知識を学びます。そして、一定の科目は通学(スクーリング)で行われ、介護過程の展開や医療的ケアの実技を対面で習得します。
リモートが広がったとはいえ、完全にオンラインだけで修了できるわけではありません。例えば医療的ケアの演習は対面で行う必要があるため、スクーリングで実施するケースが多いです。このように、オンラインと対面学習を組み合わせることで、適切な知識と実技をバランスよく身につけられる仕組みになっています。
オンライン・通信課程で学ぶカリキュラムの流れ
通信課程では、テキストに加えてeラーニングを活用することが多く、学習を進めるうえで小テストや課題提出が設定される場合があります。例えば選択式の小テストをこなし、学習成果を確かめる仕組みが整っていることが一般的です。自由度は高いものの、学習スケジュールを管理できないと期限内に課題を出せず、修了が遅れるリスクもあります。
また、学習に必要な時間は個人差がありますが、eラーニングでは、早朝や深夜でも勉強できるメリットがあります。これにより、忙しい社会人や家庭を持つ方でも日々の隙間時間を活用し、計画的に学習を進められるのが特徴です。
通学が必要なスクーリング日数や実技の内容
スクーリングでは、介護過程の展開のほか、医療的ケアとして痰の吸引や経管栄養の実技が含まれます。これらの実習は実際の器具を使用したり、講師や指導者から直接アドバイスを受ける必要があるため、原則として対面形式が求められます。通学日数はおおむね6~8日程度を要するスクールが増えています。
また、一部のスクールでは土日に実技演習を行うなど、平日働いている方でも通いやすい日程を用意しているのが特徴です。実技講習のスケジュールはスクールごとに異なるため、事前に確認してから受講計画を立てるとスムーズに学習できます。
保有資格 | 在籍期間 | 学習時間 (カリキュラム総時間) | 免除される科目 |
---|---|---|---|
無資格 | 6ヶ月以上 | 450時間 | 免除なし(全科目受講) |
喀痰吸引等研修 | 4ヶ月以上 | 400時間 | 50時間の科目免除 |
初任者研修修了者 (旧ホームヘルパー2級) | 4ヶ月以上 | 320時間 | 130時間の科目免除 |
ホームヘルパー1級修了者 | 1ヶ月以上 | 95時間 | 355時間の科目免除 |
介護職員基礎研修修了者 | 1ヶ月以上 | 50時間 | 400時間の科目免除 |
リモート受講(通信講座)のメリット・デメリット
リモート受講には多くの利点がありますが、一方で留意すべき点も存在します。ここでは、実務者研修をリモート受講(通信講座)する際のメリットとデメリット解説します。
リモート受講のメリット:働きながらでも時間を有効活用
リモート受講の大きなメリットは、時間と場所を選ばずに学習できることです。通学に必要だった移動時間を節約できるため、仕事の合間や育児の隙間時間を有効に使えます。そのため、介護の現場で働きつつ資格取得を目指す方にも適しており、実践と理論を同時に高めやすいのが特長です。
さらに、講師からのオンラインサポートやチャット機能を活用することで、疑問点を即座に解消できる場合もあります。面と向かって質問するのが苦手という方にとっては、オンライン上の問い合わせが気軽に利用できるメリットも大きいでしょう。
リモート受講のデメリット:自己管理とモチベーション維持の難しさ
一方で、リモート受講は自分で学習スケジュールを立て、着実に進める自己管理能力が求められます。締め切りがある課題や小テストを計画的にこなせないと、いつの間にか学習が滞り、最終的な修了が遅れる可能性も考えられます。
また、周囲の仲間とコミュニケーションをとりながら学ぶ機会が少ない点もデメリットとして挙げられます。モチベーションを高め合う場面が少ないため、意識的に目標設定を行い、小まめに学習成果を確認していくことが重要です。
実務者研修の費用・給付金・支援制度をチェック
研修費用を抑えるために活用できる制度や給付金をあらかじめ把握しておくことで、経済的な負担を軽減することが可能です。
実務者研修の受講料は、無資格者の場合でおおむね10万円前後から上限20万円程度といわれることが多いです。通信講座と通学講座では通学日数や学習内容により金額が大きく異なりますので、ここでは実務者研修の費用・給付金・支援制度に関して解説します。
受講料の目安と費用を抑えるコツ
スクールによっては、テキスト代や実技に使用する教材費を受講料込みで提供している場合があります。そのため、単に受講料の金額だけでなく、何が含まれているかを確認して総合的に比較するとよいでしょう。キャンペーンを利用する以外にも、手数料や分割払いの金利が低い方法を選ぶなど、支払い方法の工夫で出費を減らせる場合があります。
また、地域によっては自治体独自の補助金や助成制度を設けていることもあります。学校側の情報だけでなく、ハローワークや市区町村のホームページもチェックして、最新の支援制度を探してみるのがおすすめです。
専門実践教育訓練給付金など経済的支援を活用する方法
ハローワークが管轄する専門実践教育訓練給付金を活用すれば、受講料の一部を後から支給してもらえる可能性があります。受給資格を得るためには雇用保険の被保険者期間など条件がありますが、条件を満たせば最大で受講費用の80%を受け取ることも可能です。
申請手続きには必要書類が多く、申請のタイミングも決められているので、早めにハローワークで確認し、計画的に準備を進めましょう。こうした給付金制度を活用すれば、経済的負担を軽減しながらも資格取得を目指すことができます。
働きながら実務者研修を受講するコツはリモートを活用
実務者研修の受講を仕事と両立するためには、リモート学習の特性をうまく活かして効率的に学習することが不可欠です。
介護の現場で働きながら実務者研修を受講する人が増えていますが、その最大のハードルは時間管理です。ここでは、リモート学習を活用して働きながら実務者研修を受講する方法を解説します。
リモートを活用した学習スケジュールの組み立て方と時間管理
学習スケジュールを組む際は、まず仕事や生活リズムを洗い出し、自分が集中できる時間帯を把握することから始めます。例えば早朝や深夜を学習時間にあてることで、他への影響を最小限に留められるでしょう。目標とする修了時期を逆算し、一日の学習時間と一週間の合計学習量を明確にしておくと進捗を管理しやすくなります。
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家族や職場からの理解とサポートを得るポイント
研修期間中は、まとまった時間を学習に充てることが避けられません。そのため、家族には事前に学習予定を伝え、協力をお願いするなどのコミュニケーションが欠かせません。職場でも研修の趣旨とスケジュールを周知しておくことで、業務シフトや休暇の調整に理解を得やすくなります。
特に介護施設内では、同じ研修を受講しているスタッフ同士で声を掛け合い、学習情報を共有するケースも多いです。仲間同士で励まし合うことで、オンライン学習で不足しがちな情報交換の機会を補うことができ、結果的に修了までのモチベーション維持にもつながります。
リモート対応の実務者研修スクールを選ぶポイント
多様なスクールの中から自分に合った研修先を選ぶには、サポート体制や立地、費用面で比較検討することが大切です。ここでは、リモート対応の実務者研修を解説しているスクールを選ぶポイントを解説します。
オンラインサポートやスクーリング場所の充実度
オンライン授業を中心とするスクールでは、講師やスタッフに気軽に質問できる問い合わせフォームやチャットシステムを整備しているかが大切です。わからない箇所をタイムリーに解消できると、学習のモチベーションを維持しやすくなります。さらに、動画学習プラットフォームが快適に使えるかどうかも受講のしやすさに直結します。
一方、スクーリングを実施する会場の立地や設備も確認しておきましょう。清潔で安全な環境が整っているか、アクセスが良いかは、実技演習のストレスを軽減して学習をスムーズに進めるうえで重要です。
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キャンペーンや割引制度の有無をチェック
スクーリングの実施期間やリモート学習に関するキャンペーン、早期申し込み割引などを定期的に行っているスクールもあります。こうした情報は公式サイトやSNSで随時更新されるため、受講を検討する時期に合わせてこまめにチェックすると良いでしょう。
さらに、紹介制度や団体割引を設けている場合もあります。職場の同僚や友人と一緒に申し込むことで、割引が適用されるケースもあるので、複数人での受講を検討している方は見逃さないようにしてください。
FAQ|実務者研修のリモート学習に関する質問
- Q1.実務者研修は完全にリモートだけで修了できますか?
- A
完全リモートでは修了できません。学科部分はeラーニングなどでリモート受講が可能ですが、「介護過程Ⅲ」や「医療的ケア」などの実技演習は、スクーリング(通学)が必要です。湘南国際アカデミーでは週末コースも用意しており、働きながらでも無理なく受講できます。
- Q2.実務者研修をリモートで受講する際の難易度と合格率はどのくらい?
- A
難易度は対面型と比較して大きな差はないとされています。リモートでも理解を深められる小テストや課題が用意されているため、講師が近くにいなくても学習を進めやすいのが特徴です。重要なのは、計画的にカリキュラムをこなし、わからない点を積極的に質問して解消する姿勢です。湘南国際アカデミーでは、年間約2,000人の方々が実務者研修を修了されています。しっかり学習すれば大きな心配は必要ありませんが、ご不安があれば気軽にご相談ください。
- Q3.実務者研修のリモートでの学習時間の目安と最短修了期間は?
- A
個人の経験や学習スタイルによりますが、通信課程では1日1~2時間の学習を継続し、最短で数か月程度で修了する方もいます。特に働きながら受講する場合でも、週末にまとめて学習すれば短期間での修了を目指すことが可能です。
ただし、スクーリング日程は固定されていることが多く、そこに合わせて学習スケジュールを組む必要があります。適度に余裕をもった計画を立てることで、学習の負担を軽減しつつ合格への道を着実に歩むことができます。
- Q4.実務者研修は給付金や割引制度はリモート受講でも利用できますか?
- A
はい、利用できます。湘南国際アカデミーの実務者研修は「専門実践教育訓練給付制度」の対象で、条件を満たせば最大80%の補助が受けられます。さらに、紹介割やグループ割(最大5,000円OFF)、期間限定キャンペーンも併用できるケースがありますので、お得に受講するチャンスです。
まとめ・総括:リモートで実務者研修を修了し、キャリアアップにつなげよう
オンライン対応が広がるなか、リモートを取り入れた実務者研修は働きながらでも学びやすい環境を整えています。ぜひ、自分に合った方法でスキルアップを目指してください。
通信課程と通学(スクーリング)を組み合わせた実務者研修のメリットは、忙しい日常の中でも学習しやすい点にあります。オンライン教材を活用することで自分のペースを守りながら知識を深め、実技は集中してスクーリングで習得できます。
経済的負担を軽減できる給付金制度やスクール独自の割引を上手に利用すれば、資格取得のハードルを下げることも可能です。今後ますます需要が高まると予想される介護業界で、大きな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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その他、介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ機関への評価業務や、介護事業所や医療機関において「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
