介護福祉士は、高齢者や障がい者の身体介護や生活支援を行う人のための資格です。この資格を取得するには国家試験に合格する必要がありますが、受験料や資格取得にかかる費用について気になる人も多いでしょう。
この記事では、介護福祉士の試験内容や受験料、受験の流れについて解説します。
介護福祉士国家試験の内容
まずは介護福祉士の国家試験について解説します。試験の概要や合格基準を理解すれば、より効果的な試験対策を立てることができるでしょう。
介護福祉士国家試験の概要
介護福祉士国家試験は年1回実施されています。筆記試験のみで試験問題は合計125問あり、解答時間は午前の部100分間、午後の部120分間の合計220分間と設定されています。出題範囲は全13科目に及び、介護の基礎知識から実践的なスキルまで幅広くカバーしています。
介護福祉士国家試験は以下の11科目群で構成されています。(順不同)
※以下の科目名をクリックすると対談形式で、各科目のポイント解説をご覧いただけますので、是非参考にしてください。
- 人間の尊厳と自立
- 社会の理解
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 人間関係とコミュニケーション
- 生活支援技術
- 介護過程
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- こころとからだのしくみ
- 医療的ケア
- 総合問題
介護福祉士国家試験の合格基準
介護福祉士の合格基準は総得点の約60%以上とされています。この基準は、試験の難易度によって適宜補正される場合があります。
過去の第37回試験(2025年1月実施)の結果を見ると、受験者数は75,387人でした。そのうち合格者は58,992人で、合格率は78.3%となっています。
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介護福祉士国家試験の受験料と資格登録にかかる費用
介護福祉士の資格取得には、受験料や登録費用などがかかります。これらの費用を事前に把握しておきましょう。
介護福祉士国家試験の受験料
介護福祉士国家試験の受験手数料は18,380円です(2025年現在)。受験料は、払込用紙を使用して郵便局やコンビニエンスストアなどで支払うことができます。なお、一度支払った受験料は、試験を欠席した場合でも返金されないため、注意しましょう。
ちなみに、二回目以降の受験で、インターネット上から申し込みをした場合は、クレジットカードでの支払いも可能です。
受験申し込み方法の詳細や支払い期限については、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの公式Webサイトに掲載されています。
介護福祉士の資格登録にかかる費用
試験に合格した後、実際に介護福祉士として働くためには、登録免許税9,000円、登録手数料3,320円、合わせて12,320円を支払って資格登録を行う必要があります(2025年現在)。支払い方法や具体的な手続きについては、合格通知と共に送られてくる案内を確認しましょう。
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介護福祉士の受験資格を取得する方法
介護福祉士の受験資格を取得するには、複数のルートが用意されています。それぞれのルートには特徴があり、自分に適したルートを選択することが重要です。また、ルートによって必要な費用も異なります。
資格取得ルート
介護福祉士試験の受験資格を満たすには、全部で4つのルートがあります。
まず、養成施設ルートでは、厚生労働大臣が指定した介護福祉士養成施設で必要な課程を修了することが条件です。福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設を卒業している場合は1年間、高校卒業の場合は2年間通う必要があります。
実務経験ルートでは、3年以上の実務経験に加え、介護福祉士実務者研修の修了が必要になります。介護福祉士実務者研修の代わりに、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修を組み合わせることでも条件を満たせます。
福祉系高校ルートは、2009年度以降に入学した福祉系高校を卒業または卒業見込みの場合、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。このルートでは、指定された科目や単位の取得が条件となります。
なお、介護福祉士養成課程の基準を満たす特例高等学校(※)に入学した人が受験する条件を満たすには9カ月以上の実務経験が必要です。
EPAルートは、経済連携協定に基づいて来日した外国人介護福祉士候補者が資格取得を目指すためのルートです。
※特例高等学校:文部科学省が指定する特別の教育課程を設けている高等学校。
ルート別費用
実務経験ルートを選択する場合、主な費用は介護福祉士実務者研修の受講料です。この場合の受講料は、10万円が目安となります。
養成施設ルートを選択して介護福祉士養成施設に通う場合、学費は100万円から200万円が目安となります。この金額には、授業料や実習費、教材費などが含まれます。
福祉系高校ルートを選択して福祉系高校に進学する場合、公立高校では年間約50万円、私立高校では年間約100万円の学費が目安となります。この金額には、授業料や施設設備費、教材費などが含まれます。
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介護福祉士国家試験の受験の流れ
介護福祉士の国家試験を受験するには、適切な準備と手続きが必要です。ここでは、準備から試験当日、そして合格発表までの流れを解説します。
必要書類の用意
介護福祉士の国家試験を受験するために、公益財団法人社会福祉振興・試験センターに「受験の手引」を請求して入手します。請求期間は例年7月上旬から9月上旬までとなっています。受験の手引には試験の概要や申し込み方法、必要書類などの重要な情報が記載されているため、必ず目を通しましょう。
次に、資格取得ルートに応じて必要な書類を準備します。例えば、養成施設ルートの場合は卒業証明書、実務経験ルートの場合は実務経験証明書や研修修了証などが必要になります。これらの書類は、発行に時間がかかる場合があるため、早めに準備しましょう。
申し込み
必要書類の準備が整ったら、受験の手引に従って期日内に申し込み手続きを行います。初めて受験する場合は、書類を郵送して申し込みを行います。もし書類に不備があると受理されないため、提出前に内容確認を忘れないようにしましょう。特に記入漏れや書類の添付忘れなどは特に起こり得るため、念入りに確かめるようにします。
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試験日と合格発表
介護福祉士の国家試験は、例年1月下旬の日曜日に全国35都市で一斉に実施され、合格発表は例年3月下旬に行われます。合格者には合格通知が送付されるほか、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページでも合格者の受験番号が公表されます。
合格した場合、介護福祉士の登録申請を行います。登録が完了すると、介護福祉士の登録証が交付されます。
以上が、介護福祉士国家試験の受験から資格取得までの基本的な流れです。各段階で必要な手続きや提出書類、期限などは年度によって変更される可能性があるため、最新の情報を常に確認するようにしましょう。
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介護福祉士の資格を取得してキャリアアップを目指そう
今回は介護福祉士国家資格の受験料や申し込みの流れについて解説しました。
介護福祉士の資格取得には、時間と費用がかかりますが、資格を取得することで得られるメリットは多岐にわたります。給与面では、昇進の機会が増えることも期待でき、介護福祉士の資格を持っている人には手当が付くケース多いです。
また、資格取得により対応できる業務の幅が広がります。より質の高い介護サービスの提供が可能になり、多くの人々の生活の質向上に貢献できるでしょう。
介護福祉士として、高齢者や障がい者の生活を支える重要な役割を担うことは、金銭的な価値以上の大きな意義があると言えます。ぜひ資格取得を目指して試験勉強にチャレンジしてみてください。
湘南国際アカデミーの介護福祉士受験サポート
湘南国際アカデミーでは、受験準備から実務者研修、資格取得後のキャリアサポートまでを一貫して提供しています。多様な受講スタイルに対応した講座や手厚いフォロー体制を整えており、初めての受験でも安心して学習を進められる環境が整っています。
資格取得はゴールではなく、豊かなキャリアのスタート地点です。自分の成長と社会貢献のためにも、今こそ一歩を踏み出して、介護福祉士としての未来を切り拓いてみませんか
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
