「子育ても落ち着いたし、そろそろ介護の仕事を考えてみたい」。そうした思いから介護福祉士を目指す人も増えています。しかし、「試験が久しぶりで不安……」「長時間集中できるか心配」と感じる人がいるのも自然なことです。
実は、介護福祉士試験は、少しの工夫で解きやすさが大きく変わります。特に「時間配分」のコツをつかむことが、合格への第一歩になります。
この記事では、湘南国際アカデミーがこれまで多数の合格者を輩出してきた実績をもとに、初めて国家試験に挑戦する人や、長く試験から離れていた人に向けて、試験本番で焦らずに解くための時間配分の考え方と活用術を解説します。
介護福祉士試験の時間配分の考え方は?
介護福祉士試験は、午前と午後の2部に分かれた筆記試験で構成されています。全体で125問(午前63問・午後62問)が出題され、すべてマークシート方式です。
各部の試験時間は午前の部が100分、午後の部が120分です。単純に計算すると1問の解答にかけられる時間は以下のようになります。
・午前の部:1問あたり約1分35秒(=100分 ÷ 63問)
・午後の部:1問あたり約1分56秒(=120分 ÷ 62問)
「1分半あれば十分」と思えるかもしれませんが、実際の試験では問題の長さや内容の難しさに差があり、時間のかかる問題も混ざっています。特に午後の部では、長文の事例問題が出題されるため、問題文を読むだけでも時間がかかります。
そのため、ただ単に「1問〇分」と均等に時間を割り当てるのではなく、問題の種類や難易度に応じて、メリハリのある時間配分を意識することが大切です。
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介護福祉士試験において時間を上手に使うコツ
介護福祉士試験は試験時間が長いものの問題数が多いため、限られた時間の中で効率良く問題を解く工夫が必要です。特に久しぶりに試験を受けるという人にとっては、事前に時間配分の意識を持っておくことが、落ち着いて実力を発揮するための大切なポイントになります。
次に、本番で慌てずに解答するための、具体的な時間の使い方について解説します。
わからない問題に時間をかけすぎない
試験中、すべての問題にすぐ答えられるとは限りません。ときには、難しいと感じる問題や、見たことのない表現に戸惑う場合もあるでしょう。そういった問題に対して、長く悩み続けてしまうのは避けたいところです。
介護福祉士試験は全問正解を目指す試験ではありません。合格ラインは60%前後とされています。そのため、確実に解ける問題から先に取り組み、迷う問題は後回しにするという戦略が有効です。
迷った問題に時間をかけすぎると、後半の問題に十分な時間が取れず、本来は解けるはずの問題を落としてしまうこともあります。“完璧主義より、冷静な判断”が試験では大切です。
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必ずしも1問目から解く必要はない
介護福祉士国家試験は以下の13科目群で構成されています。(順不同)
※以下の科目名をクリックすると対談形式で、各科目のポイント解説をご覧いただけますので、是非参考にしてください。
- 人間の尊厳と自立
- 社会の理解
- 介護の基本
- コミュニケーション技術
- 人間関係とコミュニケーション
- 生活支援技術
- 介護過程
- 発達と老化の理解
- 認知症の理解
- 障害の理解
- こころとからだのしくみ
- 医療的ケア
- 総合問題
試験当日は必ずしも最初の問題から解く必要はありません。全体のペースを意識しないまま解き始めてしまうと、最後の方になって残り時間が少なくなってしまうことも考えられます。
ペース配分を考えることに苦手意識がある人は、得意な科目から解き始めるようにしましょう。得意科目を早めに終わらせ、時間に余裕を持って残りの問題を解くことができます。
最後の10分は、見直しのために必ず確保する
介護福祉士試験はマーク式なため、試験本番でありがちなミスとして、マークシートの記入間違いや飛ばし忘れ、解答漏れがあります。せっかく解ける問題も不正解になってしまうため、非常にもったいないミスです。
ケアレスミスを防ぐためにも、試験終了の10分前には必ず全体を見直す時間を確保することを強くおすすめします。
・飛ばした問題がないかチェックする
・マーク位置がずれていないか確認する
・解答欄の番号がずれていないかを見直す
この10分間の見直しによって、本来落とさずに済む得点をしっかり得ることができます。見直し時間含めることを前提にペースを組み立てておくと、安心でしょう。
模擬試験や過去問で時間感覚に慣れておく
時間配分を意識して解答することは、本番でいきなりできるものではありません。日ごろから時間を測りながら模擬試験や過去問に取り組むことで、自然と自分に合ったペースが身につきます。
・タイマーを使って90分間で解く
・本番と同じ午前・午後の時間に取り組む
・少し早めに終わらせて、見直し時間を確保する練習をする
こうしたシミュレーションを繰り返しておくことで、本番当日に「時間が足りないかも……」という不安が軽減されます。
特にしばらく試験を受けていない人にとっては、長時間にわたって集中力を維持することに不安を感じる場合もあるかもしれませんが、事前にしっかり準備しておけば十分カバーできます。
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40代・50代からでも合格できる!介護福祉士試験の対策ポイント
介護福祉士試験は、年齢に関係なく挑戦できる国家資格です。とはいえ、「勉強なんて何十年ぶり」「試験勉強のやり方を忘れてしまった……」と感じている人も多いのではないでしょうか。
最後に、40代・50代から介護福祉士試験に挑戦したい人が、効率良く、そして無理なく合格を目指すための対策ポイントを紹介します。
過去問を中心に繰り返し学習する
試験対策として基本かつ効果的なのが、過去問を繰り返し解くことです。介護福祉士試験では、毎年出題傾向にある程度のパターンがあるため、過去問を通じてよく出るテーマに慣れておくと安心です。
解答後は自己採点をした上で、「なぜ間違えたか」「正しい選択肢はなぜ正しいのか」を確認することで、単なる丸暗記ではなく理解を深められる学習ができます。また、過去問は3年分ほどを繰り返し解くと出題の傾向をある程度つかむことができます。
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短時間でも、毎日続けることが力になる
「まとまった勉強時間が取れない」という悩みは、家庭や仕事を両立している人にとっては共通の課題です。しかし、介護福祉士試験は、短時間の学習を積み重ねれば十分に対応できます。
例えば、以下のような時間を活用してみてください。
・朝食準備前の10分に解く
・家事の合間に1問だけ解く
・夜寝る前の15分で復習
1日15分でも、毎日継続すれば1週間で105分の学習時間になります。
日々の学習を習慣化しながら時間を増やしていければ、「勉強すること」が自然に生活に溶け込み、ストレスなく続けられます。
独学が不安なときは通信講座やスクールを活用する
独学が難しいと感じたときは、通信講座や資格スクールを検討するのも一つの選択肢です。講師によるサポートや学習スケジュールの管理を受けられることで、安心感を持って学習を進められます。
また、近年は中高年の受験者が増えていることから、40代・50代向けのフォロー体制が整っている講座も多く存在します。
受講料に対して補助が出る場合もあるため、「独学では不安」「計画的に進めたい」という人は通信講座やスクールを積極的に活用していきましょう。
FAQ|介護福祉士試験の時間配分に関するよくある質問
- Q1.時間配分を練習するには何を使えば良いですか?
- A
模擬試験や過去問を使い、実際の試験時間に合わせて練習するのが効果的です。タイマーを使って午前100分、午後120分の感覚を体で覚えておきましょう。
- Q2.問題を解く順番は決まっていますか?
- A
順番は決まっていません。自分の得意な科目や簡単そうな問題から取り組むことで、時間に余裕を持って進められます。
- Q3.見直しの時間はどれくらい確保するべき?
- A
最低でも試験終了の10分前には見直しを始められるように、計画的にペースを組み立てましょう。マークミスの防止にもつながります。
- Q4.時間配分の感覚がつかみにくいときの対策は?
- A
解答時間を記録しながら勉強する習慣をつけると、自分のリズムがつかめてきます。問題ごとの所要時間を把握することで、改善もしやすくなります。
- Q5.長時間の試験に集中力が続かないときは?
- A
こまめな休憩と水分補給、姿勢の調整が集中力維持に効果的です。過去問練習の際にも同じ環境を再現して慣れておくと安心です。
介護福祉士試験の時間配分と対策ポイントを押さえて、合格を目指そう
この記事では、介護福祉士試験における時間配分の目安と、効果的な時間の使い方のコツ、さらに40代・50代からでも無理なく合格を目指すための学習ポイントについて解説しました。
介護福祉士試験は、確かに試験時間が長く問題数も多いですが、出題形式はマークシートであり、事前に時間配分や解き方を工夫することで本番でも実力を発揮しやすくなります。
試験対策は完璧を目指すのではなく、「できることを積み重ねる」ことが成功のカギです。ぜひ、自分のペースで準備を進めてください。
湘南国際アカデミーでは、介護福祉士受験者の不安に寄り添い、効果的な時間配分を含む試験対策法を丁寧にサポートしています。年齢や経験を問わず、誰もが自信を持って試験に臨めるようサポート体制を整えています。
限られた時間を有効に使うスキルは、試験だけでなく、実際の介護現場でも役立ちます。時間管理力を武器に、あなたも介護福祉士試験の合格を目指して一歩を踏み出しましょう。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
