「離れて暮らす親が心配だけれど、民間の見守りサービスは費用が気になる」という方は多いのではないでしょうか。実は多くの自治体が、高齢者向けの見守りサービスや助成制度を独自に用意しています。
本記事では、自治体が実施する高齢者見守りサービスの種類や、神奈川県内の取り組み事例、民間サービスとの違い・組み合わせ方をわかりやすく解説します。
制度は自治体ごとに条件・内容が異なるため、まずは全体像を把握したうえで、お住まいの自治体の窓口に確認することをおすすめします。
・自治体が実施する高齢者見守りサービスの主な種類
・神奈川県内の自治体における取り組み事例
・自治体サービスと民間サービスの違いと組み合わせ方
・自治体と民間企業の連携による新しい見守りの動き
高齢者見守りサービスとは
高齢者見守りサービスとは、一人暮らしや高齢者のみの世帯の生活状況を定期的または常時確認し、異常があった際に家族や関係機関へ知らせる仕組みの総称です。センサーや通信機器を使うもの、人による訪問・声かけによるものなど、方法はさまざまです。
高齢単身世帯は今後も増加が見込まれており、国立社会保障・人口問題研究所の推計では、高齢単身世帯は現在の約738万世帯から2050年には約1,080万世帯へ拡大するとされています。こうした背景から、多くの自治体が独自の見守り施策を展開しています。
自治体が実施する高齢者見守りサービスの種類
自治体が実施する見守り施策は、大きく次の3つに分けられます。
1.助成金・補助金型
民間の見守りサービス(機器の設置費用や月額利用料)の一部を自治体が助成する仕組みです。例えば、東京都葛飾区では自宅に機器を設置して家族が生活状況を確認できるサービスの初期設置費用等を助成する制度があります。横浜市では、市が登録した見守りサービスを利用する65歳以上のひとり暮らしの方に対し、月額最大1,000円の補助を行っています。
2.緊急通報システム型
ペンダント型の通報機器などを貸与し、急病やケガの際にボタン一つで消防・救急や委託先の受信センターへ通報できる仕組みです。立川市の「高齢者あんしん見守り支援事業」のように、機器の設置費用の一部または全部を自治体が負担するケースもあります。
3.地域の見守り活動型
民生委員や地域ボランティアによる訪問・声かけ、新聞受けや郵便物の状況確認など、人の目による見守り活動です。千葉市の「地域見守り活動支援補助金」のように、地域団体の活動そのものを自治体が補助する形も見られます。
神奈川県内の取り組み事例
神奈川県では「さがみロボット産業特区」の取組の一環として、県内の介護事業所を対象に見守り機器(介護ロボット)の試験導入・効果検証を行う「介護ロボット実用化促進事業」を実施しています。運営は外部のコンサルタント企業が担い、大学とも連携しながら導入効果の分析が行われています。
自治体の見守り施策は年度ごとに内容・募集時期が変わります。本記事の情報は執筆時点のものです。最新の制度内容は、お住まいの自治体の高齢福祉担当窓口に直接ご確認ください。
自治体サービスと民間サービスの違い
自治体の見守りサービスは費用負担が軽い、または無料である一方、対象者要件(年齢・所得・世帯構成等)が定められていることが一般的です。民間サービスは費用がかかりますが、対応の柔軟性や機能面(AIによる生活リズム分析等)で選択肢が広いという特徴があります。両者を比較すると次のようになります。
| 項目 | 自治体サービス | 民間サービス |
|---|---|---|
| 費用 | 無料〜低額(一部助成含む) | 月額数百円〜数千円程度 |
| 対象者 | 年齢・所得等の要件あり | 基本的に制限なし |
| 機能 | 緊急通報・訪問中心 | センサー・AI分析等、機能が多様 |
| 導入のしやすさ | 申請手続きが必要 | 契約後すぐに利用開始できることが多い |
要支援・要介護認定を受けている方であれば、介護保険サービス(訪問介護等)と組み合わせることで、より手厚い見守り体制を作ることもできます。自治体サービスと民間サービスは「どちらか一方を選ぶ」のではなく、併用を前提に検討するのがおすすめです。
カメラを使わない見守りセンサー・見守り家電の仕組みや選び方について詳しくは、以下の記事もあわせてご覧ください。
「見守りセンサー・見守り家電とは|選び方をわかりやすく解説」
自治体と民間企業が連携する新しい見守りのかたち
近年は、自治体が民間企業と連携し、新しい見守り機器・サービスの実証実験を行う動きも広がっています。例えば、賃貸住宅における高齢者の孤独死対策として、電力使用状況からAIが生活リズムを学習し、異常があれば管理会社等へ通知する仕組みの実証実験が、国土交通省管轄のサービス付き高齢者向け住宅等で行われている事例もあります。賃貸物件の孤独死対策・見守り付き賃貸については、以下の記事もあわせてご覧ください。
「賃貸物件の孤独死リスク対策|見守り付き賃貸とは」
湘南国際アカデミーでは、AI見守りプラットフォーム「iSure」を提供する株式会社UEC Japanとの協業を通じて、介護事業所・賃貸住宅における実証実験の受け入れ支援を行っています。詳しくは以下の記事もあわせてご覧ください。
「AI見守りサービス「iSure」導入・実証実験受け入れのご案内」
よくある質問
- Q1.自治体の見守りサービスは誰でも利用できますか?
- A
多くの場合、年齢(65歳以上等)・世帯構成(ひとり暮らし等)・所得要件などが定められています。要件は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の高齢福祉担当窓口への確認が必要です。
- Q2.自治体サービスと民間サービスは併用できますか?
- A
制度によります。横浜市のように、他の見守りサービスをすでに利用している場合は対象外となるケースもあるため、申請前に自治体窓口へ確認しましょう。
- Q3.神奈川県内で利用できる見守り関連の制度はありますか?
- A
神奈川県では「さがみロボット産業特区」の取組の一環として、介護事業所向けの見守り機器導入促進事業を実施しています。市区町村単位でも独自の助成制度がある場合があるため、あわせてご確認ください。

介護福祉士/介護支援専門員
【監修者コメント】
現場でも「自治体にどんな制度があるか知らずに、いきなり民間サービスを契約してしまった」というご家族によくお会いします。まずはお住まいの自治体に何があるかを確認したうえで、足りない部分を民間サービスで補う、という順番で検討されることをおすすめします。
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介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ支援、事業所向けスキルアップ研修のプロデュースなど、人材確保・育成・定着に向けた幅広い活動を展開している。





