介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の違いについて
介護職員初任者研修について
介護職員初任者研修は、介護の現場において必要となる基本的知識や技術を学ぶもので、介護福祉士を目指す方もそうではない方も、介護現場にて従事するための入門的資格と言えるでしょう。
介護福祉士実務者研修について
介護福祉士実務者研修は、介護における専門的な知識や技術の修得を目的とし、介護福祉士の資格取得を目指すために必要となります。 平成28年度(第29回)介護福祉士国家試験から、「実務経験ルート」を通る方の受験資格として、実務経験3年以上に加え、実務者研修を修了していることが必須となります。 介護福祉士を目指すために必要となる資格とはいえ、受講条件は特に無く、介護に関しての知識が全くないという方であっても受講することが出来ます。
資格取得後の業務内容やキャリアパスの違い
介護の仕事は無資格でできることもありますが、資格を要する業務もあります。例えば、訪問介護の仕事は初任者研修以上の資格が必要となります。
介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修 業務の違い(一例)
初任者研修 | 実務者研修 | |
---|---|---|
家事・買い物など生活援助 | ○ | ○ |
入浴・排泄など身体介助 | ○ | ○ |
サービス提供責任者 | ✕ | ○ |
喀痰吸引・経管栄養 | ✕ | ○ ※要実地研修 |
介護福祉士 受験要件 | ✕ | ○ ※要件の一つを満たすことが可能 |
では、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修では、業務の違いはあるのでしょうか。介護福祉士実務者研修を取得すると、「サービス提供責任者」になることができます。 サービス提供責任者は、訪問介護サービスを利用する利用者さんがより良いサービスを受けられるようサポートします。「サ責」と呼ばれることもあります。ヘルパーの指導・研修もサービス提供責任者の仕事です。
他に介護福祉士実務者研修と介護職員初任者研修で大きく異なる点は、「医療的ケア」です。実務者研修では、喀痰吸引・経管栄養を安全に実施できるようシミュレーターを使用して学びます。 介護福祉士実務者研修修了後、実地研修を受けると実際の業務で喀痰吸引・経管栄養素を実施できるようになります。
資格取得にかかる期間
介護職員初任者研修は、全部で130時間のカリキュラムを修了する必要があります。週1回(16週)受講した場合、修了まで約4カ月ほどかかります。
介護福祉士実務者研修は規定により、無資格の場合6カ月間の在籍期間が必要です。※初任者研修を修了している場合は、4カ月間です。
受講にかかる費用
受講にかかる費用はスクールによって異なりますが、介護職員初任者研修の場合、5万円~8万円が相場のようです。 介護福祉士実務者研修の費用は保有資格によって異なり、無資格の場合10万円~20万円、初任者研修を保有している場合8万円~15万円が相場です。
介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の共通点
国家資格ではない
介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修は、ともに国家資格ではありませんが、都道府県が管轄しています。公的な資格ですので履歴書に書くこともできます。
履歴書には、初任者研修の場合は「介護職員初任者研修過程修了」、実務者研修の場合は「介護福祉士実務者研修過程修了」と記載します。
受講科目
介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の受講科目を比較してみましょう。
受講科目の比較
初任者研修 | 実務者研修 |
---|---|
職務の理解 | 人間の尊厳と自立 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 社会の理解Ⅰ |
介護の基本 | 社会の理解Ⅱ |
介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 介護の基本Ⅰ |
介護におけるコミュニケーション技術 | 介護の基本Ⅱ |
老化の理解 | コミュニケーション技術 |
認知症の理解 | 生活支援技術Ⅰ |
障害の理解 | 生活支援技術Ⅱ |
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 介護過程Ⅰ |
振り返り | 介護過程Ⅱ |
介護過程Ⅲ | |
発達と老化の理解Ⅰ | |
発達と老化の理解Ⅱ | |
認知症の理解Ⅰ | |
認知症の理解Ⅱ | |
障害の理解Ⅰ | |
障害の理解Ⅱ | |
こころとからだのしくみⅠ | |
こころとからだのしくみⅡ | |
医療的ケア |
上記表の実務者研修受講科目で太字になっているものは、介護職員初任者研修と共通する学習内容で、介護職員初任者研修保有者が介護福祉士実務者研修を受講する際免除されます。
こんな人は介護職員初任者研修がおすすめ
介護が未経験で、基礎からしっかりと学びたい方には介護職員初任者研修からスタートされることをおすすめします。 また、介護の仕事をしているものの、現場での技術習得に自信がない方も是非介護職員初任者研修へお越しください。
こんな人は介護福祉士実務者研修がおすすめ
資格は保有していなくても介護の経験が1年以上あり、基本的な介護技術を理解している方には、介護福祉士実務者研修からの受講をおすすめします。 介護福祉士実務者研修では授業内で立案した介護計画をもとに、実際の場面を想定して実技試験を行いますので、ある程度介護経験がある方が取り組みやすいです。
湘南国際アカデミーの介護職員初任者研修
湘南国際アカデミーの介護職員初任者研修は、未経験の方がじっくり学べるよう座学の時間と演習(実技)の時間をバランスよく設けられています。 お仕事をしながら学ばれる方も多いため、無理なく修了できるシステムとなっています。まず、授業日数16日の内4日分はオンライン受講可能なため、通学日数を減らすことができます。 また、やむを得ない理由で欠席される場合は、振替補講制度を利用し、欠席分を別スケジュールで受講することができます。同じ内容の授業を開講しているすべての校舎から選択OK!
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湘南国際アカデミーの実務者研修
湘南国際アカデミーの介護福祉士実務者研修は、介護福祉士試験も見据えた内容となっています! 介護福祉士実務者研修の課題に取り組むことで、同時に介護福祉士の試験勉強も進めることができます。
介護福祉士実務者研修も介護職員初任者研修と同じく、振替補講制度があるので、急な欠席があっても安心です。
元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
【所持資格】
介護福祉士、介護福祉士実習指導者、介護支援専門員、福祉用具専門相談員