江島一孝(介護福祉士)
この記事の監修者
介護福祉士、実習指導者、介護支援専門員として10年以上の経験を持ち、湘南国際アカデミーで介護職員初任者研修や実務者研修の講師、介護福祉士国家試験の対策テキスト執筆を担当。
現代社会では、介護が必要になっても自宅で過ごすことを希望する高齢者・そのご家族が増えており、在宅介護サービスの需要は高まっています。
また、介護施設の人手不足なども在宅介護サービスの利用を促しています。
そんな中、ホームヘルパー(訪問介護員)という職種が注目されています。この記事では、ホームヘルパー(訪問介護員)の役割、仕事内容、資格取得方法、そしてその魅力について、詳しく解説します。
これから介護のお仕事を始めようと思っている方に参考にしていただけますと幸いです。
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ホームヘルパー(訪問介護員)とは?
ホームヘルパー(訪問介護員)は、高齢者や障がいを持つ方が安心して自宅で暮らせるよう、日常生活をサポートする専門職です。食事や入浴の介助、掃除や買い物などを通じて、利用者の快適な生活を支えます。また、身体的な介助だけでなく、心のサポートも行う重要な役割を担っています。
ただし、医療行為は法律で禁止されており、業務内容には明確なルールがあります。高齢化が進む今、その需要はますます高まっています。
湘南国際アカデミーでは、ホームヘルパーを目指す方に向けた資格講座を提供しています。給付金の無料申請サポートも行っているため、学費の負担を抑えて資格取得が可能です。初めての方でも安心して学べる環境で、新たなキャリアの一歩を踏み出しませんか?
ホームヘルパーの需要と将来性
ホームヘルパーは、高齢化が進む日本社会において、ますます重要視される職業です。高齢者が自宅で安心して暮らし続けるための在宅介護ニーズが急増しており、訪問介護を担うホームヘルパーの需要は今後も拡大すると予測されています。
厚生労働省によると、2025年までに約40万人の介護人材が必要とされる見込みです。その中でも、ホームヘルパーは高齢者が住み慣れた環境で生活を続けられるよう支援する重要な役割を担っています。
高齢化社会が生むニーズと社会的役割
日本では少子高齢化が進み、自宅での介護を希望する高齢者が増加しています。この流れに伴い、訪問介護を提供するホームヘルパー(訪問介護員)の役割はますます重要になっています。自宅での介護を支えるホームヘルパーは、高齢者が安心して暮らし続けられる社会を支える大切な存在です。
訪問介護サービスは、高齢者の生活の質(QOL)を向上させるだけでなく、家族や地域社会にも安心感を提供します。高齢者一人ひとりに寄り添い、適切なケアを行うことで、多くの方が自立した生活を送れるよう支援しています。このような活動を通じて、ホームヘルパーは社会全体の福祉にも貢献しています。
地域社会を支えるホームヘルパーとしての第一歩を始めることは、社会的な役割にも大きく貢献できると言えます。
ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事内容について
ホームヘルパー(訪問介護員)は、高齢者や障がいを持つ方が自宅で安心して暮らせるよう、心身を支える大切な役割を担っています。仕事内容は「身体介助」「生活援助」「精神的サポート」の3つに分けられ、利用者一人ひとりの状況に合わせて柔軟に対応することが求められます。
具体的には、入浴や食事のサポート、掃除や買い物の代行、そして心のケアなど多岐にわたります。ただし、介護保険制度で定められた範囲を超えた業務は行えないため、業務内容の線引きを理解することも重要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
訪問型と住宅型有料老人ホームの仕事内容の違い
ホームヘルパーの仕事は、訪問型と住宅型有料老人ホームで大きく異なります。
訪問型では、利用者の自宅を訪問し、日常生活をサポートします。個別のライフスタイルや身体状況に合わせたケアが重要で、調理や掃除、買い物の代行、入浴や着替えの介助など、柔軟な対応が求められます。利用者が住み慣れた環境で快適に暮らし続けられるよう、家族の状況や住環境を考慮したきめ細やかなサービスが特徴です。
一方、住宅型有料老人ホームでは、施設内での集団的なケアが中心となります。入居者全員が一定のサービスを受ける仕組みで、食事の提供や清掃のほか、レクリエーションやイベントを通じた交流の場づくりも大切な仕事です。個別対応よりも、施設全体のルールやサービス内容に基づいた支援も求められます。
湘南国際アカデミーでは、訪問型と住宅型の双方に必要な知識やスキルを学べる介護職員初任者研修などの介護の資格講座を用意しています。さらに、給付金の無料申請サポートを活用することで、経済的な負担を軽減しながら安心して学べます。それぞれの形態の違いを理解し、ホームヘルパーとして活躍する第一歩を踏み出しましょう!
身体介助
身体介助とは、利用者が日常生活で困難を感じる基本的な動作をサポートする重要な業務です。高齢者や身体に障がいを抱える方にとって、食事や入浴、排泄などの動作が難しい場合、身体介助が生活の質を大きく支えます。
具体的には、以下のサポートがあります。
- 食事介助:安全に食事ができるよう、姿勢の調整や食事内容を工夫します。
- 排泄介助:トイレの利用やおむつ交換をサポートし、安心できる環境を整えます。
- 入浴介助:事故を防ぎながら清潔を保つ手助けをします。
- 移乗介助:車椅子やベッドへの安全な移動をサポートします。
- その他、更衣介助(着替えのサポート)、歩行介助、外出介助(通院など)も含まれます。
身体介助は、利用者の動作を補助するだけでなく、精神的な安心感を提供する役割も果たします。人としての尊厳を尊重し、利用者の気持ちに寄り添うことで信頼関係を築き、心身の健康を支える大切な仕事です。
介護職員初任者研修では、これら身体介助に必要な知識と技術を基礎から学べます。また、給付金を利用できるスクールも多く、経済的負担を抑えて資格を取得することが可能です。
生活援助
生活援助とは、高齢者や障がいを持つ方の日常生活をサポートする業務です。家事や日常的な作業が難しい利用者に対し、住環境を整え、快適で安心な暮らしを提供する大切な役割を果たします。
具体的には以下のような内容があります。
- 掃除:室内を清潔に保ち、利用者が安全に過ごせる環境を整備します。
- 洗濯:衣類や寝具の洗濯・管理をサポートします。
- 調理:栄養バランスを考慮した料理の準備で健康を支えます。
- 買い物代行:日用品や必要物品を購入し、生活をサポートします。
- その他、ベッドメイキングや病院、薬局での薬の受け取りなどもあります。
これらの支援は、利用者の日常生活を円滑にするだけでなく、自立を促す重要なステップにもなります。また、安心できる住環境を提供することで、利用者の生活の質(QOL)や精神的安定感を向上させることができます。
介護職員初任者研修などで生活援助に必要なスキルを基礎から学び、生活援助を通じて利用者を支えるプロフェッショナルを目指すしてはいかがでしょうか。
精神的サポート
ホームヘルパーは、高齢者や障がいを持つ方々の日常生活を支えるだけでなく、心のケアを通じて利用者の安心感や幸福感を高める大切な役割を担っています。孤独や不安を感じやすい利用者にとって、温かい言葉や何気ない会話が心の支えとなり、生活への意欲を引き出すきっかけになります。
例えば、利用者の趣味や思い出話に耳を傾けることや、明るい言葉をかけて笑顔を引き出すことができます。こうした小さなコミュニケーションが、利用者にとって「自分を理解してもらえている」という安心感をもたらします。また、利用者の気持ちに寄り添い、共感する姿勢を大切にすることで、深い信頼関係を築くことができます。
精神的なサポートは、単に心を癒すだけではありません。利用者のストレスを和らげることで、身体的な健康や日常生活動作(ADL)の向上にもつながります。これにより、利用者の生活の質(QOL)を高め、毎日をより豊かに過ごせる環境を提供できます。
精神的サポートに必要なスキルやコミュニケーションを習得し、利用者の心を支え、笑顔を引き出すホームヘルパーの存在は、今後も増加し続けるでしょう。
ホームヘルパー(訪問介護員)ができないこと
ホームヘルパー(訪問介護員)は、利用者の生活を支える重要な役割を担いますが、法律で禁止されている業務があります。特に注意が必要なのは医療行為です。医師や看護師の資格が必要な注射、点滴、服薬管理、褥瘡(床ずれ)の処置などはホームヘルパーの業務には含まれません。これらは専門職の業務であり、ホームヘルパーが行うことで法的リスクを伴うため、明確に区別する必要があります。
また、財産管理や法律行為も行えません。例えば、利用者に代わって銀行での現金引き出しや、遺産分配の相談、自宅売却手続きへの協力は、ホームヘルパーの範囲外です。このような業務に関与しないことで、誤解やトラブルを防止できます。
さらに、利用者以外の家族へのサービスや、介護保険の対象外業務も行えません。同居家族の食事の用意や洗濯、庭の手入れ、ペットの世話などが該当します。例えば、「お客さんが来るから分も食事を用意してほしい」と頼まれた場合は、丁寧にお断りすることが求められます。ただし、事業所によっては自費サービスとして一部の業務を提供している場合もあるため、確認が必要です。
ホームヘルパーは、法律の範囲内で利用者の生活をサポートしながら、自分の役割に専念することが大切です。これにより、安心で信頼できるサービスを提供することができます。
ホームヘルパー(訪問介護員)の魅力3つ
ホームヘルパーは、短時間から働くことができるため、子育て世代やシニアに大変人気があります。また、対応する環境やニーズの幅が広いことで、働きながら専門知識や技術を向上させることができる点も魅力です。さらに、職場の人間関係に煩わされる心配が少なく、自分のペースで働ける点が多くの人に選ばれている理由となっています。
1.短時間からでも働ける
ホームヘルパーの仕事は、短時間の勤務が可能で、ライフスタイルに合わせて働ける柔軟性が魅力です。訪問介護では、1回の訪問時間が決まっており、午前中の数時間だけや午後の空いた時間を活用して働けます。
ホームヘルパーの仕事は、正社員でない場合「週に●回、1日●時間程度」「夜勤なし」などご自身のライフスタイルに合った働き方を希望することができます。子育て中の方は、お子さんが幼稚園・小学校に行っている時間帯に働き、土日はお休みすることも可能です。
例えば、育児中の方はお子さんが学校や幼稚園に行っている間だけ働くことができ、仕事の後は家庭の時間をしっかり確保することが可能です。このため、家庭と仕事を両立したい方や、他の仕事と掛け持ちをしたい方にも最適な働き方と言えます。
パートタイムで介護のお仕事を探している方にもホームヘルパーをおすすめします。
2.対応する環境・ニーズの幅が広く、専門知識・技術力がアップ!
ホームヘルパーの仕事は、利用者の状況や生活環境、ニーズに応じて柔軟に対応することが求められます。そのため、さまざまなケースを経験する中で、自然と幅広いスキルや知識が身についていきます。
訪問介護では、訪問するお宅によって、環境は様々で、その環境にあった介護を考え実践する必要があります。
お風呂ひとつでも、広さ、形、寝室からの距離など違いますから、すべて同じ介助方法とはいきません。
また、洗濯の干し方、畳み方も人それぞれで、できるだけ利用者さんに寄り添った方法で対応します。
このように訪問先ごとのそれぞれ違う環境、利用者さんごとのニーズの違いなどをしっかり対応していくことで、幅広い知識と技術が身に付いていきます!
利用者一人ひとりに合ったケアを提供することで責任感が高まり、スキルアップにつながります。このような経験は、将来的なキャリアアップや資格取得にも活かせます。
ホームヘルパーの仕事を通じて得られる成長は、人にとっては想像を超えた充実感をもたらしてくれるでしょう。
3.職場の人間関係に疲れない
ホームヘルパーの仕事は、一対一で利用者と向き合うことが多く、人間関係のストレスが少ない環境が特徴です。オフィスワークやチーム作業のように、多人数の相互関係で悩むことがなく、煩雑な人間関係から解放され、自分のペースで仕事を進められる点が魅力です。
訪問介護では、利用者との時間が最優先されるため、食事の準備や体調管理といった業務に集中できます。上司や同僚とのトラブルがほとんどなく、ストレスを軽減しながら働けるのが特徴です。
さらに、利用者一人ひとりにじっくりと寄り添える仕事なので、多くの人と関わるよりも個別対応にやりがいを感じる方におすすめです。施設勤務とは異なり、利用者との深い関係性を築けることで、より丁寧なケアを提供できる満足感や仕事のやりがいにもつながります。
ホームヘルパー(訪問介護員)の給与は?
ホームヘルパー(訪問介護員)の給与は雇用形態や地域、さらに勤務する介護事業所の規模によって異なります。フルタイム勤務の正社員では安定収入が期待できる一方、パートタイムでは柔軟な働き方が可能です。また、訪問介護の需要が増加している中、処遇改善加算などにより給与面の条件も徐々に改善されています。この職種に興味がある方は、希望する勤務形態やライフスタイルに応じて求人情報を確認し、自身のキャリアや条件に合った職場を探すことが重要です。
訪問介護員のフルタイムとパートタイムの給与の違い
ホームヘルパーとして働いたら、いくらぐらい稼げるのか、気になりますよね。給料は雇用形態や経験、保有資格によって異なりますが、令和4年の厚生労働省の調査結果によると、ホームヘルパーの時給について1400円以上と答えた事業所が最多でした。
例えば時給1400円で週3日・1日5時間働いたとすると、月大体8万円程度の収入となります。
事業所によっては、夜間や土日は時給アップすることもあります!
常勤・非常勤職員の場合の月給相場は18万円~30万円程度です。
フルタイム勤務は安定的な収入を得られる一方で、勤務時間が長くなることから、家庭やプライベートとのバランスが課題になることがあります。一方のパートタイムは収入がフルタイムと比較して少ないものの、勤務時間を柔軟に対応できる分、ライフスタイルに合わせた働き方が魅力となります。それぞれに利点があるため、自分の生活状況や働き方の希望を考慮し、どちらが合っているかを選ぶことが大切です。
ホームヘルパー(訪問介護員)になるには
ホームヘルパーとして働くためには、「介護職員初任者研修」などの資格取得がスタートポイントです。この資格は、訪問介護や生活支援の基礎知識を学ぶための入門資格で、多くの研修機関で提供されています。また、資格取得後は、自身の働き方や希望する職場環境に合わせて求職活動を行い、最適な就職先を探すことが重要です。
初任者研修に関してさらに詳しく知りたい方は
必要な資格は介護職員初任者研修以上
ホームヘルパーとして働くためには、介護職員初任者研修の資格を取得する必要があります。
介護職員初任者研修は、湘南国際アカデミーのようなスクールや自治体主催で受講でき、未経験・無資格の方でも週2回ペースで受講すると約2カ月半で修了することが可能です。
研修では、ホームヘルパーの仕事をするうえで必要な体位変換、移動介助、ベッドメイキングなどの技術と基本的な知識を学びます。
ホームヘルパーの経験を積み、さらにキャリアアップを目指したい場合は、介護職員初任者研修の上位資格である介護福祉士実務者研修を修了すると、訪問介護事業所でサービス提供責任者(通称:サ責)になることができます。
実務者研修に関してさらに詳しく知りたい方は
ホームへルパー(訪問介護員)の仕事を探す方法
ホームヘルパーの仕事を探す際は、まず自分に合った働き方を明確にすることが大切です。フルタイムやパートタイムなどの勤務形態や、対応する利用者のタイプ(高齢者や障がいを持つ方など)により、仕事の内容が大きく異なります。希望する働き方やスキルに合わせて選ぶことで、ライフスタイルに合った働き方を実現しやすくなります。
ホームヘルパーの仕事は、ハローワーク、求人サイトの「カイゴジョブ」や「介護求人ナビ」などの専門サイトはもちろん、地元の福祉センターや福祉イベントでも有益な情報を得られます。求人の比較検討を丁寧に行うことで、希望に合った職場を見つける可能性が高まります。
介護の仕事が初めての方や、就職・転職のアドバイスが欲しい方には、キャリアアドバイザーのサポート体制がしっかり整っている人材紹介会社を利用することもおすすめです。
湘南国際アカデミーは介護資格取得のサポートだけでなく、就職・転職のサポート(無料)も行っています!
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ホームヘルパー(訪問介護員)を目指すなら湘南国際アカデミー
ホームヘルパー(訪問介護員)は、高齢化が進む日本社会で重要な職業です。湘南国際アカデミーでは、初心者でも安心して学べるカリキュラムが整い、実務経験豊富な講師の指導により介護のスキルを実践的に習得できます。資格取得やキャリアアップを目指す方に充実したサポートを提供しており、質の高い介護を実現するプロフェッショナルへの第一歩を踏み出せます。
将来のキャリアパスと展望
ホームヘルパーとして経験を積むことで、介護福祉士やケアマネージャー(介護支援専門員)などの資格取得を目指す道が開けます。これらの資格を取得することで、介護現場でのリーダー的な役割を担ったり、訪問介護事業所の責任者として働くチャンスが広がります。また、独立開業を目指すことも可能です。
さらに、高齢社会の進展により介護職の需要は今後も増加が予想されており、ホームヘルパーは安定した職業として将来性が期待されています。資格を取得することで、スキルアップと収入アップの両方が実現でき、長期的なキャリア形成にもつながります。
介護福祉士実務者研修・介護福祉士へのステップアップ
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修を修了した方が専門知識やスキルをさらに深めるための重要なステップです。この研修を受講することで、利用者の多様なニーズに応えられる力を高めると同時に、自身のキャリアアップにもつながります。
実務者研修では、喀痰吸引などの医療的ケアや、利用者の心理への理解を深める学習を通じて、介護現場で即戦力となる実践的スキルを身につけます。これにより、介護福祉士国家試験の受験資格を取得でき、資格を活かして仕事の幅を広げることができます。介護福祉士は、利用者やそのご家族に信頼されるケアを提供するための基盤であり、キャリアアップや収入アップの可能性を広げる大切な資格です。
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