認知症介護基礎研修とは、認知症の方を介護するために必要な技術や基礎知識を習得するための研修です。認知症介護基礎研修は2024年(令和6年)4月から無資格で介護の仕事をする人に対して受講が完全義務化されました。
また、認知症介護基礎研修と同じく、介護業界で働く人向けの入門資格には「介護職員初任者研修」があります。2つの資格はどのような点で違いがあるのでしょうか。
この記事では、実際に認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修を開催している湘南国際アカデミーが、それぞれの違い、そして研修の申込方法を紹介します。
認知症介護基礎研修とは?
認知症患者が増えている中で、介護の現場では認知症の特性に合わせた適切なケアが求められています。そんな中で注目されているのが、「認知症介護基礎研修」です。
認知症介護基礎研修の概要
認知症介護基礎研修は、介護に携わる人が認知症ケアの知識や技術を習得する研修です。介護保険施設や事業所などで介護に直接携わる職員のうち、無資格者が受講を義務付けられています。
なぜ認知症介護基礎研修が義務化されたかというと、今後さらに認知症患者が増加し、介護に携わる職員一人ひとりが認知症ケアの基礎知識を身につけることが必要と考えられているからです。
介護に関わる人が認知症ケアに必要な知識を持ち、患者の尊厳を守りつつ、より質の高い介護を提供できるようになることを目指し、認知症介護基礎研修は義務化されました。
認知症介護基礎研修の対象者
認知症介護基礎研修の対象となるのは、介護保険施設や事業所などにおいて、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を持っていない人たちです。
すでにほかの資格のカリキュラムなどで認知症介護に関する基礎的な知識や技術を習得している人は、受講義務の対象外となります。
具体的には、以下のような資格を取得している人は、受講義務の対象から外れています。
【義務付けの対象外となる有資格者】
看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、介護福祉士実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者、介護職員基礎研修課程又は訪問介護員養成研修一級課程・二級課程修了者、社会福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等
認知症介護基礎研修の位置づけ
認知症介護基礎研修は、認知症ケアの知識や技術を高めるための第一歩として位置づけられています。
認知症介護基礎研修を受けた後は、「認知症介護実践者研修」や「認知症介護実践リーダー研修」、そして「認知症介護指導者養成研修」などを受講し、さらなるスキルアップを目指すことができます。
以下の関連記事も読まれています
認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修との違い
介護業界で働く初心者や経験の浅い人向けの研修には、認知症介護基礎研修のほかにも「介護職員初任者研修」があります。しかし、いくつかの点で違いがあります。
ここでは、認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修の違いについて解説します。
学習内容の違い
認知症介護基礎研修は、その名の通り認知症ケアに特化した基礎知識と技術の習得が主な目的です。認知症患者への理解を深め、個別の状況に応じた適切な対応を学びます。具体的には認知症を取り巻く現状や、認知症の症状と生活や心理への影響、家族介護者への支援方法など、認知症に特化した内容を学びます。
対して介護職員初任者研修は、介護の現場で働く際に必要な基礎的な知識と技術を幅広く学びます。介護の職務の理解や介護におけるコミュニケーション技術、老化についての学習などが含まれています。
以下の関連記事も読まれています
受講方法の違い
認知症介護基礎研修は、基本的に自宅や職場においてeラーニング(動画学習)で受講します。インターネット環境があれば自分の好きな時間にどこででも学習を進められます。
対して、介護職員初任者研修は、介護スクールに通学したり、スクールと独学を組み合わせたりして受講します。
受講費用(受講料)と期間の違い
認知症介護基礎研修の受講にかかる費用は事業所がある自治体によって異なり、無料~5,000円程度です。受講期間は、半日~1日程度で、150分間の動画視聴と確認テストを行います。
一方、介護職員初任者研修の受講にかかる費用は、スクールや地域によって異なりますが、4万円~10万円程度が一般的です。受講期間は、スクールのカリキュラムや受講者の学習ペースにもよりますが、1カ月~4カ月間程度が目安となります。
認知症介護基礎研修の申込方法
認知症介護基礎研修の申し込みは、勤めている事業所の責任者が行う場合と受講者本人が行う場合の2パターンがあります。
どちらの場合も、研修実施機関の「認知症介護基礎研修eラーニング」のWebサイトに記載されている内容に沿って手続きを進めます。なお、eラーニングを受講するには受講者ごとにアカウントが必要になります。
湘南国際アカデミーの認知症介護基礎研修の詳細はこちら
⇒「認知症介護基礎研修の講座ページ」
介護職員初任者研修の申込方法
介護職員初任者研修の申し込みは、「民間スクールに直接申し込む方法」と「ハローワーク(公共職業訓練・求職者支援訓練)を利用する方法」の2通りがあります。
スクールに直接申し込む場合は、各スクールがWebサイトを運営していることがほとんどなので、Webサイトから希望のコースを応募します。どのようなコースが設けられているかもWebサイトに掲載されているので、チェックした上で選びましょう。
ハローワークを利用して申し込む場合は、まず近所のハローワークで求職申し込みを行います。その後、受講者を決める選考が行われます。ハローワーク経由で介護職員初任者研修を受講できる人数には限りがあるためです。選考に合格すれば、研修を受講できます。
湘南国際アカデミーの介護職員初任者研修の講座ページはこちら
⇒「介護職員初任者研修の講座ページ」
ハローワーク(公共職業訓練・求職者支援訓練)の詳細はこちら
⇒厚生労働省「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」
認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修はどちらを取得すべき?
認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修は、それぞれ異なるメリットがあります。メリットを把握した上で、どちらを取得すべきかを検討すると良いでしょう。
認知症介護基礎研修を取得するメリット
認知症介護基礎研修を取得するメリットは、認知症ケアに関する基礎知識と技術を短期間で効率的に習得できる点です。eラーニング形式で自分のペースで学習できるため、家事や子育てで忙しい人も受講しやすいでしょう。認知症患者と接する機会が多い人や、まずは認知症ケアの基礎を学びたいという人にはおすすめです。
介護職員初任者研修を取得するメリット
介護職員初任者研修を取得するメリットは、介護に関する幅広い基礎知識と技術を体系的に学べることです。この研修を修了すると、訪問介護などが行えるようになるため、就職先の選択肢が広がるメリットがあります。
ちなみに、介護職員初任者研修には、認知症介護基礎研修で学習する内容が含まれています。そのため、無資格者が介護職員初任者研修を受講すると、認知症介護基礎研修の受講は免除されます。したがって、介護職員初任者研修を先に習得した場合は、認知症介護基礎研修を受ける必要はありません。
以下の関連記事も読まれています
FAQ|認知症介護基礎研修と初任者研修に関する質問
介護業界で働くことを考えている方や、これから認知症ケアの知識を身につけたい方にとって、「認知症介護基礎研修」と「介護職員初任者研修」の違いや選び方、受講方法などは重要な関心事です。以下のFAQでは、よく寄せられる質問にお答えします。
- Q1.
- A
- Q2.どちらの研修から受ければいいのでしょうか?
- A
- Q3.それぞれの研修の申し込み方法はどうなっていますか?
- A
認知症介護基礎研修、介護職員初任者研修の順に取得を目指そう
今回は認知症介護基礎研修と介護職員初任者研修について解説しました。
認知症介護基礎研修は受講時間が短く、すぐに取得できるのが特徴で、介護職員初任者研修は介護現場で働くための幅広い知識を得られるのが特徴と言えます。そのため、介護現場でのステップアップを目指す人は、認知症介護基礎研修、介護職員初任者研修の順に取得を目指すことが多いです。
どちらの研修も、介護の仕事をする上で必須の知識が学べます。研修で学んだ内容を活かし、勤務先で経験を積み重ねていけば、介護のプロとして専門性を高めていくことができるでしょう。
湘南国際アカデミーでは、両方の研修を実施しており、講師陣による丁寧なサポートと、分かりやすいカリキュラムで初めての方でも安心して学べます。まずはお気軽にご相談ください。
無料資料請求やお問い合わせはこちらからお気軽にお問い合わせください。
介護の資格 湘南国際アカデミー
▶「介護資格に関する無料資料請求」
▶「各種ご相談やお問い合わせ」
▶「お電話でのお問い合わせ:0120-961-190」
(受付時間:9:00〜18:00/年中無休)
その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内スキルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。
