ホームヘルパー2級(正式名称:訪問介護員養成研修2級課程)は、2013年3月末で廃止された資格です。現在は介護職員初任者研修が後継資格として位置づけられています。「ホームヘルパー2級は今でも使える?」「初任者研修と何が違うの?」「介護福祉士を目指すにはどうすればいい?」――この記事では、廃止の背景から初任者研修との違い、資格保有者のキャリアパスまでを徹底解説します。
この記事でわかること
- ホームヘルパー2級の正式名称と廃止の背景
- ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の5つの違い
- 資格は今も有効か・履歴書の正しい書き方
- ヘルパー2級から介護福祉士を目指すキャリアパス
- 資格証明書の再発行手続き方法
※この記事は2026年4月24日に更新しました。
ホームヘルパー2級とは?正式名称と廃止の背景
正式名称は「訪問介護員養成研修2級課程」
ホームヘルパー2級は通称で、正式名称は「訪問介護員養成研修2級課程」です。高齢者や障がいのある方の日常生活を支える介護技術と知識を学ぶ、介護職の入門資格として長年にわたり普及していました。合計130時間のカリキュラムを修了することで取得でき、特に訪問介護の現場での活躍が期待された資格です。
しかし、2012年の厚生労働省の発表により廃止が決定し、2013年4月以降は「介護職員初任者研修」に一本化されました。現在、新規でホームヘルパー2級を取得することはできません。
廃止の理由:キャリアパスを一本化するため
廃止の大きな理由は、複雑すぎた介護資格体系の整理です。改正前は、ホームヘルパー1級・2級・3級、介護職員基礎研修、介護福祉士など多数の資格が乱立し、「どの順番で取ればキャリアアップできるのか」が非常にわかりにくい状態でした。複数の資格を取得しようとすると学習内容が重複するうえ、国家資格である介護福祉士の受験要件も複数パターンあって煩雑でした。
こうした課題を解消し、介護職員が長くキャリアを積みやすい仕組みを作るため、2013年4月に資格制度が抜本的に見直されました。現在のキャリアパスは以下のように明確化されています。
| ステップ | 資格名 | 位置づけ |
|---|---|---|
| STEP 1 | 介護職員初任者研修(旧:ヘルパー2級) | 介護の入門資格 |
| STEP 2 | 介護福祉士実務者研修(旧:ヘルパー1級) | 介護福祉士受験のための必須資格 |
| STEP 3 | 介護福祉士(国家資格) | 介護の専門職・国家資格 |
| STEP 4 | 認定介護福祉士・ケアマネジャー | 管理職・専門性の高い上位資格 |
ヘルパー1級・3級も同時廃止
2013年の改正では、ホームヘルパー2級だけでなく、1級・3級もすべて廃止されました。ホームヘルパー1級は現在の介護福祉士実務者研修に、3級は廃止のみとなっています。旧制度と新制度の対応を整理すると以下のとおりです。
| 旧制度(〜2013年3月) | 新制度(2013年4月〜) |
|---|---|
| ホームヘルパー3級(50時間) | 廃止(後継資格なし) |
| ホームヘルパー2級(130時間) | → 介護職員初任者研修(130時間) |
| ホームヘルパー1級(230時間) | → 介護福祉士実務者研修(450時間) |
| 介護職員基礎研修(500時間) | → 介護福祉士実務者研修に統合 |
ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の5つの違い
ホームヘルパー2級から介護職員初任者研修へ移行した際の主な変更点は5つあります。
| 項目 | ホームヘルパー2級 | 介護職員初任者研修 |
|---|---|---|
| 対象 | 訪問介護員の養成 | 訪問・施設を問わず全介護職員 |
| 総時間数 | 130時間 | 130時間 |
| 施設実習 | あり(30時間・必須) | なし(演習で代替) |
| スクーリング時間 | 78時間以上 | 89.5時間以上 |
| 通信学習上限 | 52時間 | 40.5時間 |
| 修了試験 | なし | あり(筆記試験・合格率ほぼ100%) |
| 学習科目 | 「認知症の理解」なし | 「認知症の理解」を追加 |
| レクリエーション | 授業あり | 授業なし(別資格で補完可) |
①「認知症の理解」科目が追加された
初任者研修では新たに「認知症の理解」が必修科目として加わりました。高齢化の加速とともに認知症ケアへのニーズが急増したためで、介護現場で必要不可欠な知識となっています。ヘルパー2級取得者の中には認知症の体系的な学習をしていない方もいるため、必要に応じて認知症介護基礎研修などで補うのもひとつの選択肢です。
②施設実習が廃止・スクーリングが増加
ヘルパー2級では30時間の施設実習が必須でした。しかし実習の質にばらつきがあり、見学のみで終わるケースもあったことから廃止に。代わりにスクールでの実技演習(ロールプレイ・身体介護技術)が充実し、均一な水準の習得が可能になりました。
③修了試験が導入された
ヘルパー2級はカリキュラムを受講するだけで資格が取得できましたが、初任者研修では修了試験(筆記)への合格が必要です。ただし、この試験は「落とすための試験」ではなく、学習内容の理解度を確認するためのもの。真剣に受講していれば合格率はほぼ100%といわれています。
④対象範囲が訪問介護から全介護サービスへ拡大
ヘルパー2級は訪問介護員の養成を主目的としていましたが、初任者研修は訪問介護・施設介護・通所介護など、すべての介護サービスで通用する資格として再設計されました。これにより就ける職場の幅が広がっています。
⑤カリキュラム(科目)比較
以下は湘南国際アカデミーのカリキュラムをもとにした比較表です。スクールによって表記・内容が異なる場合があります。
引用元:厚生労働省「介護従事者のキャリアアップの仕組みについて」
| 介護職員初任者研修 科目名 | 初任者研修 時間数 | ホームヘルパー2級 科目名 | ヘルパー2級 時間数 |
|---|---|---|---|
| 職務の理解 | 6時間 | 訪問介護員の職業倫理 | 3時間 |
| 介護における尊厳の保持と自立支援 | 9時間 | 福祉理念とケアサービスの意義・サービス提供の基本視点 | 6時間 |
| 介護の基本 | 6時間 | 高齢者保健福祉・障害者(児)福祉の制度とサービス | 6時間 |
| コミュニケーション技術 | 6時間 | 介護概論・訪問介護概論 | 6時間 |
| 老化の理解 | 6時間 | 障害・疾病の理解・医学の基礎知識 | 11時間 |
| 認知症の理解(新設) | 6時間 | ー(科目なし) | ー |
| 障がいの理解 | 3時間 | 高齢者・障害者(児)の心理と家族の心理 | 6時間 |
| 介護におけるリスクマネジメント | 3時間 | 在宅看護の基礎知識ほか | 7時間 |
| 身体介護の基礎 | 20時間 | リハビリテーション・住宅・福祉用具知識 | 6時間 |
| 生活支援技術 | 15時間 | 訪問介護計画の作成と記録・報告の技術 | 5時間 |
| 実習(教室内実技演習) | 10時間 | 基本介護技術 | 30時間 |
| 通信添削課題 (通学・通信コースは上記科目を通信添削課題で補完) | 40時間 | レクリエーション体験学習 | 2時間 |
| ー | ー | 介護実習 ・施設型実習×16時間 ・訪問介護型実習×8時間 ・在宅サービス型実習×6時間 | 30時間 |
| 介護職員初任者研修 合計時間数 | 130時間 | ヘルパー2級 合計時間数 | 130時間 |
なお、ヘルパー2級にはあった「レクリエーション」の授業が初任者研修ではなくなっています。この流れを受けて2014年にレクリエーション介護士2級資格が誕生しました。湘南国際アカデミーも一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会の認定を受け、レクリエーション介護士2級講座を開講しています。

介護福祉士
【監修者コメント】
私自身、ヘルパー2級制度下で研修受け入れをしていた経験があります。施設実習は現場にとって受け入れ負担が大きく、実習生の学びにもばらつきがありました。初任者研修への移行でカリキュラムが均質化されたのは、教育の質という観点から大きな前進だったと感じています。参照:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」
ホームヘルパー2級を持っている方への影響
資格は今も有効・取り直しは不要
すでにホームヘルパー2級を取得済みの方は、現在でも介護職員初任者研修と同等の資格として扱われます。訪問介護・施設介護を含むすべての介護サービスで、初任者研修修了者と同じ業務に従事できます。給与・待遇の差もほぼありません。改めて初任者研修を受け直す必要はありません。
履歴書への記載方法と正式名称
履歴書に記載する際は、通称の「ホームヘルパー2級修了」ではなく、正式名称で書くのが望ましいです。
| 種別 | 記載例 |
|---|---|
| 正式名称(推奨) | 訪問介護員2級養成研修課程 修了 |
| 通称(通じるが正式ではない) | ホームヘルパー2級 修了 |
| NG(別の資格名になる) | 介護職員初任者研修 修了 ←取得していない場合は記載不可 |
採用担当者がヘルパー2級と初任者研修の違いを正確に把握していない場合もあります。面接時に「ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修の前身資格です」と補足できると、より円滑に理解してもらえます。
仕事内容・給与への影響はない
ヘルパー2級と初任者研修は、担当できる業務の範囲・給与水準ともにほぼ同等です。給与アップを目指すなら、次の資格取得へのステップアップが近道です。
ヘルパー2級から介護福祉士を目指すキャリアパス
実務者研修で130時間の科目免除が適用される
介護福祉士を目指すには、3年以上(540日以上)の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了が必要です。ヘルパー2級(初任者研修相当)を持っている方は、実務者研修を受講する際に130時間分の科目免除が適用されます。
| 保有資格 | 学習時間 | 免除時間 |
|---|---|---|
| 無資格 | 450時間 | なし |
| 初任者研修修了 (旧ホームヘルパー2級相当) | 320時間 | 130時間免除 |
| ホームヘルパー1級修了 | 95時間 | 355時間免除 |
| 介護職員基礎研修修了 | 50時間 | 400時間免除 |
実務者研修の詳細はこちら
ヘルパー2級から実務者研修を取得した方の声
ヘルパー2級から介護福祉士を取得した方の声
ヘルパー2級から湘南国際アカデミーの講師になった卒業生も
湘南国際アカデミーでは、ホームヘルパー2級の取得をきっかけに、段階的にキャリアアップした結果、現在は介護福祉士の講師として次世代の育成に取り組んでいる卒業生もいます。利用者との実体験から来るコメントは受講生に説得力があると好評です。

介護福祉士
【監修者コメント】
ヘルパー2級から実務者研修・介護福祉士へとステップアップされた修了生を多数見てきました。共通しているのは「資格が変わっても介護への情熱は変わらない」という点です。今の制度ではキャリアパスが明確になったため、次の目標を立てやすくなっています。受験資格の詳細は公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」でご確認ください。
資格証明書の保管・再発行・苗字変更の手続き
ヘルパー2級の資格証明書は大切に保管しましょう。転職・異動の際に提示が求められる場合があります。
紛失・再発行の手続き
紛失した場合は、まず受講したスクールへ問い合わせてください。スクールが廃業していたり連絡が取れない場合は、各都道府県の福祉課へ相談することで、記録を確認してもらえる可能性があります。
湘南国際アカデミーでホームヘルパー2級を取得された方は、以下の窓口へご連絡ください。
・湘南国際アカデミー お客様サポート
TEL:0120-961-190(受付時間:9:00〜18:00 / 年末年始を除く)
神奈川県内在住で発行団体と連絡が取れない方は、以下の窓口もご利用ください。
・福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課 福祉介護人材グループ
TEL:045-210-4755
HP:https://www.pref.kanagawa.jp/div/1321/index.html
FAQ|ホームヘルパー2級に関するよくある質問
- Q1.ホームヘルパー2級は今でも有効ですか?
- A
はい、今でも有効です。2013年4月に廃止されましたが、取得済みの方は介護職員初任者研修と同等の資格として扱われ、訪問介護・施設介護を含むすべての介護サービスで引き続き働けます。給与・待遇への影響もほぼありません。
- Q2.履歴書にはどう書けばいいですか?正式名称は?
- A
正式名称は「訪問介護員2級養成研修課程」です。履歴書には「訪問介護員2級養成研修課程 修了」と記載するのが正式です。「ホームヘルパー2級修了」と書いても通じますが、正式名称の記載が望ましいです。なお、初任者研修を修了していない場合、「介護職員初任者研修修了」と書くことはできません。
- Q3.ヘルパー2級のまま介護福祉士を目指せますか?
- A
目指せます。3年以上(540日以上)の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了が必要です。ヘルパー2級(初任者研修相当)の修了者は実務者研修受講時に130時間分の科目免除が適用されます。詳しくは公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」をご確認ください。
- Q4.ヘルパー2級を持っていれば初任者研修の取り直しは必要ですか?
- A
取り直す必要はありません。ただし、ヘルパー2級には「認知症の理解」科目が含まれていないため、認知症ケアの知識を補いたい場合は認知症介護基礎研修などの受講を検討するとよいでしょう。なお、ヘルパー2級修了者は認知症介護基礎研修の受講義務はありません。
- Q5.ヘルパー2級の資格証明書を紛失しました。再発行できますか?
- A
まず受講したスクールへ問い合わせてください。発行元が廃業している場合は、各都道府県の福祉課(神奈川県の場合は福祉子どもみらい局 地域福祉課 TEL:045-210-4755)に相談すると記録を照会してもらえる場合があります。湘南国際アカデミー修了者はTEL:0120-961-190へご連絡ください。
まとめ|ヘルパー2級は今も活かせる。次のキャリアへ湘南国際アカデミーがサポート
本記事のポイントをまとめます。
- 正式名称は「訪問介護員養成研修2級課程」。2013年4月に廃止され、新規取得は不可
- 廃止の理由はキャリアパスの一本化。現在は初任者研修→実務者研修→介護福祉士の流れが明確
- 取得済みのヘルパー2級は今も有効。初任者研修との同等資格として扱われる
- 履歴書には「訪問介護員2級養成研修課程 修了」と正式名称で記載する
- 介護福祉士を目指す場合、実務者研修受講時に130時間の科目免除が適用される
- 資格証明書を紛失した場合はスクールまたは都道府県福祉課に問い合わせを
湘南国際アカデミーは2011年の開校以来、累計44,000名以上の修了生を輩出してきた介護資格専門スクールです。ヘルパー2級からのステップアップを目指す方に向けて、介護福祉士実務者研修・介護福祉士受験対策講座など、次のキャリアへの扉を幅広くご用意しています。資料請求・講座説明会は無料ですのでお気軽にご相談ください。
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湘南国際アカデミーでは初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策の講師を務めるほか、受験対策テキストの執筆も担当。
介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ支援、事業所向けスキルアップ研修のプロデュースなど、人材確保・育成・定着に向けた幅広い活動を展開している。








