介護現場の人手不足が深刻化する中、外国人介護人材の採用は多くの施設にとって現実的な選択肢になっています。一方で、在留資格ごとの要件、任せられる業務の範囲、受け入れ後の支援義務など、押さえるべき論点は多岐にわたります。
本記事では、介護施設が外国人を採用・受け入れる際に必要な4つの制度の全体像から、手続きの流れ、雇用条件、定着支援の実務まで整理します。自施設の状況に合わせて「制度選択」「受け入れ準備」「長く働いてもらう仕組み」を具体化できる構成で解説します。
外国人介護人材の受け入れ全般のポイントについては以下の記事もご覧ください
介護施設で外国人採用が増えている背景と最新状況
外国人介護人材の採用が広がる背景には、需要増と供給減が同時に進む構造的な要因と、制度整備による受け入れルート拡大があります。
介護ニーズは高齢化で増え続ける一方、担い手となる若年層は人口構造上減っていきます。この需給ギャップは短期で解消しにくく、採用競争が激しい地域ほど、外国人採用が「補助」ではなく「事業継続の選択肢」になりやすい状況です。
公益社団法人 全国老人福祉施設協議会が実施した令和6年度アンケート調査(調査対象7,726施設)によると、「受け入れている」と「検討中」の回答を合わせると約55%以上の施設が外国人介護人材の受け入れに積極的であることがわかりました。特に特定技能での受け入れ施設では1施設あたり平均4.0人を採用しており、外国人受入制度は介護職員採用において不可欠な存在となっています。
厚生労働省のデータでも、介護分野の特定技能外国人の在留者数は2024年12月末時点で約44,367人に達しており、制度開始の2019年以降、一貫して増加し続けています。(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」)

介護福祉士
介護技能実習評価試験評価者
介護施設の採用担当の方から「外国人の方がどの制度で来られるのか整理できていない」というご相談を多くいただきます。
介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ評価業務にも携わってきた立場から申し上げますと、制度によって任せられる業務や必要な支援が大きく異なります。まず全体像を把握することが、手戻りのない受け入れへの近道です。
介護施設で雇用できる4つの制度と全体比較
介護分野で外国人を雇用する際は、在留資格ごとに目的・要件・業務範囲・更新可否が異なります。まず制度の全体像を比較表で整理します。
出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」・公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「外国人介護人材受入れ制度早わかりガイド2025」をもとに作成
| 項目 | 在留資格「介護」 | EPA(特定活動) | 技能実習 | 特定技能1号 |
|---|---|---|---|---|
| 制度開始 | 2017年9月 | 2008年7月 | 2017年11月 | 2019年4月 |
| 制度目的 | 専門職就労 | 二国間経済連携 | 技術移転(国際貢献) | 人手不足対応 |
| 在留期間 | 更新制限なし | 資格取得前:原則4年 | 最長5年 | 通算5年 |
| 日本語要件(入国時) | N2以上(入学時) | N3〜N5(国別) | N4程度(2年目N3程度) | N4以上+介護日本語評価試験 |
| 介護福祉士 | 必要 | 取得目標 | 不要(取得で「介護」移行可) | 不要(取得で「介護」移行可) |
| 夜勤 | 就労開始から可 | 条件付き可(資格取得前) | 条件付き可(2年目以降) | 可 |
| 転職・転籍 | 可 | 資格取得前:原則不可 | 原則不可 | 同一業務区分内で可 |
| 訪問系サービス | 制限なし | 資格取得前:制限あり | 2025年4月以降一部可 | 2025年4月21日以降一部可 |
| 調整機関 | なし(施設が独自採用) | 国際厚生事業団(JICWELS) | 監理団体 | 登録支援機関 |
| 就業までの期間 | 日本人と同様 | 17〜21か月 | 7〜10か月程度 | 最短2.5か月程度 |
制度選定で失敗が起きやすいのは、「採用しやすさ」だけで決めてしまい、在留期限・資格取得の難易度・支援工数・任せたい業務とのズレが後から顕在化するケースです。採用前に、何年働いてもらう想定か、誰が教育と支援を担うか、資格取得をどう支えるかまで一枚の計画に落とし込むことが重要です。
在留資格「介護」の要件と特徴
在留資格「介護」は、日本の介護福祉士養成施設を卒業して資格を得るか、国家試験に合格して介護福祉士になることが前提となるルートです。在留期間の更新制限がなく、長期就労につながりやすい点が最大の強みです。
勤務できるサービスに制限がなく、訪問介護を含むあらゆる介護業務に従事できます。採用側は、国家試験対策を「本人任せ」にしないことが重要で、学習時間の確保・勉強会の実施・現場経験との連動といった伴走体制が定着率を左右します。
EPA(特定活動)の要件と特徴
EPAは日本とインドネシア・フィリピン・ベトナムとの経済連携協定に基づく受け入れです。介護福祉士候補者として就労しながら国家試験合格を目指す設計で、調整機関(JICWELS)が関与するため悪質なブローカーが介在しにくい点がメリットです。
一方、1年間の受け入れ上限数があるためマッチングが難しく、毎年3〜4月の求人申請登録が必要なことから、就業開始まで17〜21か月かかる点は計画的な準備が必要です。施設側には指導・評価・記録対応が増えやすいため、指導担当の割り当てと学習進捗の共有方法を事前に決めておくことが大切です。
技能実習の要件と特徴(育成就労制度への移行に注意)
技能実習は、技能移転を通じた国際貢献が制度趣旨で、監理団体が関与しながら最長5年の受け入れが可能です。転籍制限があるため他事業所へ転職されるリスクが低い点を評価する施設も多くあります。
【重要】2027年より育成就労制度に移行予定
技能実習制度は、令和6年6月に成立した改正法により原則3年以内(2027年予定)に育成就労制度へ移行します。育成就労制度では、3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能育成を目的とし、一定条件下での本人意向による転籍も認められます。現在、技能実習での受け入れを検討している場合は、将来的な制度移行を見据えたキャリア設計が必要です。
特定技能1号(介護)の要件と特徴
特定技能1号(介護)は、介護技能評価試験と日本語能力試験(N4以上)および介護日本語評価試験に合格することで就労できる制度です。技能実習2号を良好に修了した者は試験が免除されます。
就業開始までの期間が最短2.5か月程度と4制度中最も短く、直接雇用・即戦力としての活用がしやすい点が特徴です。在留期間は通算5年ですが、介護福祉士の国家資格を取得すれば在留資格「介護」への移行が可能になり、長期就労につながります。
在留資格「介護」の詳細については以下の記事もご覧ください
特定技能「介護」で受け入れ可能な施設と対象外のケース
特定技能(介護)は受け入れできる事業所の範囲が制度上定められています。大きく分けると、児童福祉法・障害者総合支援法・老人福祉法/介護保険法関係の施設・生活保護法関係施設・その他社会福祉施設・病院または診療所が対象となります。
注意が必要なのは、老人ホームでは「介護付き有料老人ホーム」が対象である一方、スタッフが介護サービスを提供しない「住宅型有料老人ホーム」は対象外となる点です。またサービス付き高齢者向け住宅については、有料老人ホームとして要件を満たす施設のみが受け入れ可能です。
同じ法人内でも事業所ごとにサービス種別が異なる場合は配置できる範囲が変わります。「法人として受け入れられる」ではなく「この事業所でこの業務に従事できる」を単位にして確認することが、不適正受け入れを防ぐ第一歩です。
訪問系サービスへの従事(2025年4月解禁)
従来、訪問系サービスへの従事は認められていませんでしたが、2025年4月21日(特定技能)・同年4月1日(技能実習)より、一定条件を満たす場合に訪問介護等への従事が認められるようになりました。(出典:厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」)
訪問系サービスに従事させるための条件は以下の通りです。
- 介護職員初任者研修課程等を修了していること
- 介護事業所等での実務経験が1年以上あること(原則)
- 利用者・家族への事前説明を行うこと
- 訪問介護等の業務の基本事項に関する研修を実施すること
- 一定期間、責任者等が同行して必要な訓練を行うこと
- キャリアアップ計画の作成、ハラスメント防止措置、ICT環境整備を行うこと
訪問介護における外国人受け入れの詳細は以下の記事もご覧ください
特定技能1号の受け入れ手続きの流れ
募集から在留資格申請、雇用開始後の届出・支援まで、時系列でやるべきことを把握すると手続き漏れを防げます。
- 募集・選考:技能要件のほか、申し送り・記録が読めるかなど実務的な日本語力を確認する
- 雇用契約・支援計画の作成:10項目の支援内容を盛り込んだ支援計画を作成する(登録支援機関に委託も可)
- 特定技能協議会への加入申請:初めて特定技能外国人を受け入れる場合、就業開始から4か月以内に加入が必要(加入申請自体は事前に行う)
- 地方出入国在留管理局への在留資格申請:協議会入会証明書・誓約書等を添付して申請
- 入国・就業開始
- 就業後の支援実施・定期届出:3か月に1回以上の定期面談・行政機関への通報義務、在留期限管理を継続的に行う
ポイントは「申請が通れば終わり」ではなく、就業後の支援と定期的な届出までが制度運用である点です。期限管理が弱いと更新漏れなど重大事故につながるため、人事・現場・支援担当で情報を共有し、担当者とチェックのタイミングを固定します。
外国人介護人材の業務範囲と段階的な任せ方
任せられる業務は在留資格・経験・日本語力・安全配慮で変わるため、業務の切り出しと段階的な任せ方の設計が定着の鍵になります。
業務範囲を考えるときは、制度上の可否だけでなく、本人の日本語力・介護技術・判断経験、そして施設のリスク管理(事故防止)を合わせて設計します。「できるはず」ではなく「安全にできる状態」を基準にすることが、結果的に本人の自信と成長につながります。
任せ方の基本は、観察と補助→手順が標準化できる業務→判断が求められる業務の順に広げることです。清掃・環境整備、見守り補助、移乗や食事介助の一部など、チェックリスト化しやすいものから段階を作ると、指導の属人化を防げます。
日本語の壁は「会話」よりも「申し送り・記録・専門用語」で詰まりやすいです。ヒヤリハットの多くは用語の誤解や曖昧な指示から起きるため、標準フレーズ・指示の言い換え・記録テンプレートを整え、理解確認を必ず入れる運用にします。
外国人介護士への日本語教育・介護教育の詳細は以下のページをご覧ください
受け入れ機関としての支援義務と体制整備
特定技能を中心に、受け入れ機関には支援の実施・届出・相談体制・記録管理など、制度運用としての義務が求められます。支援計画に定める10項目の内容を以下に整理します。
参照:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」
| 支援項目 | 主な内容 |
|---|---|
| ①事前ガイダンス | 労働条件・活動内容・保証金徴収の有無等を対面またはテレビ電話等で説明 |
| ②出入国時の送迎 | 入国時に空港〜事業所・住居へ送迎。帰国時は保安検査場まで同行 |
| ③住居確保・生活契約支援 | 連帯保証人・社宅の提供等。銀行口座・携帯・ライフライン契約の補助 |
| ④生活オリエンテーション | 日本のルール・マナー、公共機関の利用、災害時対応の説明 |
| ⑤公的手続きへの同行 | 住民登録・社会保障・税などの手続きへの同行・書類補助 |
| ⑥日本語学習の機会提供 | 日本語教室等の入学案内・学習教材の情報提供 |
| ⑦相談・苦情対応 | 外国人が十分に理解できる言語での相談対応・助言・指導 |
| ⑧日本人との交流促進 | 地域住民との交流・行事への参加補助 |
| ⑨転職支援(人員整理時) | 施設都合の解雇時の転職先探し・推薦状作成・有給付与 |
| ⑩定期面談・行政機関への通報 | 3か月に1回以上の面談。労働基準法違反等があれば通報 |
自社で支援を行うか、登録支援機関に委託するかは、人数規模と継続性で判断します。少人数のうちは委託で制度運用を安定させ、人数が増えてきたら内製化して支援品質を上げる段階移行も有効です。委託しても最終責任は受け入れ機関にあるため、報告フォーマットとエスカレーションルールを必ず決めておきます。

介護福祉士
キャリアアドバイザー
「制度の手続きは調べればわかる。でも受け入れ後に何をすれば良いかわからない」というお声が最も多いです。
支援計画は手間に見えますが、本人の生活不安を早期に取り除く仕組みとして機能します。定着している施設ほど、この支援を「コスト」ではなく「投資」として捉えています。
特定技能人材紹介・登録支援機関のご案内は以下のページをご覧ください
採用ルート・雇用条件・受け入れ体制のポイント
採用ルートの選び方
採用ルートは、スピード重視か・育成前提で時間をかけるか・支援業務をどこまで内製化するかで最適解が変わります。紹介会社は採用の立ち上げが早い一方、紹介手数料や候補者への費用負担の有無など契約の確認事項が増えます。監理団体が関与するスキームでは制度上の管理はしやすい反面、運用ルールが定型化されやすいです。
初めての施設は、登録支援機関の活用や小規模からの開始で運用を標準化してから拡張する進め方が現実的です。
雇用条件で押さえるポイント
基本は日本人職員と同じく、雇用契約・就業規則・賃金規程に基づいて運用します。特定技能外国人の給与は、同等の業務に従事する日本人従業員と同等以上にすることが義務付けられており、外国人であることを理由に不当に低く設定することは認められません。
トラブルが起きやすいのは、残業・夜勤の扱い、休暇、配置転換、契約更新の説明不足です。重要事項はやさしい日本語に言い換え、必要に応じて母語資料も用意し、同意を記録として残します。
定着のための教育・学習支援の実務
定着には、現場OJTだけでなく、目的別教材(日本語・試験対策・用語理解)を組み合わせた学習設計が有効です。厚生労働省では、介護分野で働く外国人向けの無料学習コンテンツとして「にほんごをまなぼう」(N3程度合格や特定技能評価試験対策)、介護特定技能評価試験学習用テキスト(15言語対応)、介護福祉専門用語集、介護福祉士国家試験一問一答などを整備・提供しています。(参照:厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」)
効果が出やすい組み合わせは、日本語学習・試験対策・用語理解・現場ロールプレイの4点セットです。週の学習時間を現実的に設定し、学習内容を現場の業務と結びつけて振り返る仕組みを作ることが定着の鍵になります。
また、日本語能力と国家試験合格率には強い相関があります。国のデータでは日本語能力試験N1取得者の合格率は86.7%である一方、N4では25.0%にとどまっており、入職後の日本語学習支援が合格率を大きく左右することが明らかになっています。(出典:厚生労働省「令和6年度老人保健健康増進等事業 外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」)

介護福祉士
介護技能実習評価試験評価者
湘南国際アカデミーでは外国人介護士の介護福祉士国家試験対策支援を行っており、2025年度の国家試験において支援を受けた方の合格率が71.2%を達成しました(2025年4月プレスリリース)。初任者研修・実務者研修の受講が、外国人の方が業務を深く理解し、国家試験合格への土台にもなることを現場で実感しています。入職後の資格取得支援をカリキュラム化することが、長期定着の大きな鍵です。
外国人介護士の国家資格合格率71.2%達成について
外国人向け介護教育(介護技術講座)の詳細は以下のページをご覧ください
受け入れに関するよくある質問
- Q1.介護施設が特定技能外国人を受け入れるのに必要な準備は何ですか?
- A
大きく3つの準備が必要です。①受け入れ機関として適切な基準(労務管理・支援体制・届出義務)を満たすこと、②特定技能協議会への加入手続きを行うこと、③外国人材ごとの支援計画を作成・実施することです。支援計画には事前ガイダンス・住居確保・生活オリエンテーション・日本語学習機会の提供・3か月ごとの定期面談など10項目が含まれます。登録支援機関に委託することも可能です。
- Q2.特定技能「介護」の外国人は訪問介護の仕事ができますか?
- A
2025年4月21日より、一定の条件を満たす場合に訪問介護等への従事が認められるようになりました。主な条件は、介護職員初任者研修課程等の修了と介護事業所等での実務経験1年以上(原則)です。受け入れ施設側も研修の実施・同行訓練・ハラスメント対策・ICT環境整備などの遵守事項を満たす必要があります。詳細は厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」をご確認ください。
- Q3.技能実習と特定技能「介護」は何が違いますか?
- A
技能実習は「技能移転による国際貢献」が制度趣旨で、監理団体が関与し転籍に制限があります。在留期間は最長5年です。一方、特定技能1号は「人手不足分野への即戦力供給」が目的で、試験等で技能・日本語を確認した上で雇用契約に基づき就労します。在留期間は通算5年で、要件を満たせば在留資格「介護」への移行も可能です。なお、技能実習制度は育成就労制度への移行が法定化されており(2027年予定)、今後の動向に注意が必要です。
- Q4.外国人介護士が介護福祉士を取得すると在留資格はどうなりますか?
- A
介護福祉士の国家試験に合格し登録を行うと、在留資格「介護」への移行申請ができます。在留資格「介護」は在留期間の更新制限がなく、日本で長期的に介護士として就労し続けることが可能です。厚生労働省のデータでは、外国人介護人材が国家試験を受けた最大の理由は「日本で介護職として働き続けるため(68.9%)」とされており、施設側も資格取得支援を長期定着への投資として位置づけることが重要です。
- Q5.外国人介護士の受け入れに活用できる補助金や支援制度はありますか?
- A
厚生労働省の「外国人介護人材受入施設等環境整備事業」(地域医療介護総合確保基金)では、多言語翻訳機の導入・介護福祉士資格取得支援・生活支援・メンタルヘルスケアにかかる費用の一部が補助されます(補助率2/3)。また国が「外国人介護人材獲得強化事業」「外国人介護人材定着促進事業」等の補助事業も展開しており、ICT導入支援や日本語学習支援も受けられます。最新の補助制度は厚生労働省または都道府県の担当窓口にご確認ください。
受け入れで注意したいコンプライアンスとトラブル予防
最優先は、法令と契約の透明性です。候補者が母国側の仲介者に高額な費用を支払い、債務を抱えて来日する構造は人権上の重大リスクになり得ます。施設側は、契約先の手数料構造・本人負担の有無・説明資料の整合性を確認し、疑義があれば取引を止める判断基準を持つことが重要です。
労務面では、残業代未払い・名ばかり役職・休憩未取得・夜勤の扱いなど、一般的な違反が外国人雇用でもそのまま問題になります。在留資格のない外国人を働かせたり、資格外の労働をさせると不法就労助長罪として3年以上の懲役または300万円以下の罰金の対象となります。「在留カード」で必ず就労制限の有無を確認しましょう。
またハラスメントは「言葉の問題」だけでなく「孤立の問題」として起きます。外国人職員が相談できる窓口を複数用意し、やさしい日本語での相談対応を整えることで早期に問題を把握できる体制を作ることが大切です。
介護施設の外国人受け入れの要点まとめ
外国人受け入れは、制度選びで半分が決まります。在留資格ごとの要件・在留期限・業務範囲・支援義務を整理し、自施設のサービス種別と人材戦略(何年働いてもらうか)に合う制度を選定することが出発点です。
次に、採用から就業後までの運用を時系列で設計します。選考での日本語・適性確認、雇用条件の明確化、支援計画と記録、期限管理を標準化し、属人化を避けます。
最後に、定着のための仕組みを作ります。業務の段階設計・やさしい日本語と用語標準化・教材を使った学習計画・定期面談と相談窓口の整備を行い、本人が安心して成長できる環境を用意します。この3点を押さえると、採用が一過性で終わらず、施設の品質と持続性を高める投資になります。
湘南国際アカデミーでは初任者研修・実務者研修・介護福祉士受験対策の講師を務めるほか、受験対策テキストの執筆も担当。
介護技能実習評価試験評価者として外国人介護士の受け入れ支援、事業所向けスキルアップ研修のプロデュースなど、人材確保・育成・定着に向けた幅広い活動を展開している。


