2020年(令和2年)第32回介護福祉士国家試験 解答・解説⑨【認知症の理解】
こんにちは!
湘南国際アカデミーで介護職員初任者実務者研修介護福祉士受験対策講座の講師及び総合サポートを担当している江島です!
2020年(令和2年)第32回介護福祉士国家試験を受験された皆さま、本当にお疲れ様でした。
受験を終えた皆さまは、インターネット上の解説速報などで自己採点はされましたか?
まだ解答速報を確認されていない方は、ぜひ当校ホームページの「解答速報」及び、全科目ごとに分けてご案内する「第32回介護福祉士国家試験 解答・解説」でご確認ください。

本日は、【認知症の理解】から出題された問題の解答・解説を致します。

【認知症の理解】

問題77
2012年(平成24年)の認知症高齢者数と2025年(平成37年)の認知症高齢者数に関する推計値(「平成29年版高齢社会白書」(内閣府))の組合せとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 162万人―――約400万人
2 262万人―――約500万人
3 362万人―――約600万人
4 462万人―――約700万人
5 562万人―――約800万人
(注)平成37年とは令和7年のことである。

解答:4
解説:2020年の現時点では、推計として500万人前後が、認知症高齢者です。このまま増加していき、正答は「4」です。因みに、介護認定を受けている人は2016年度データで632万人おり、こちらも増加しています。

問題78
認知症(dementia)の行動・心理症状(BPSD)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 トイレの水を流すことができない。
2 物事の計画を立てることができない。
3 言葉を発することができない。
4 親しい人がわからない。
5 昼夜逆転が生じる。

解答:5
解説:中核症状は、脳の機能低下であらわれる症状。BPSD(行動・心理症状)は、脳の機能低下と、それとは別の理由が合わさり起きる症状です。

問題79
高齢者のせん妄(delirium)の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 薬剤によって生じることがある。
2 症状の変動は少ない。
3 意識レベルは清明であることが多い。
4 徐々に悪化する場合が多い。
5 幻覚を伴うことは少ない。

解答:1
解説:高齢者のせん妄は、様々なことの要因で起きます。そのひとつに薬の影響があります。

問題80
認知症(dementia)の初期症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 血管性認知症(vascular dementia)では、幻視が認められる。
2 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)では、歩行障害が認められる。
3 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)では、エピソード記憶の障害が認められる。
4 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)では、失禁が認められる。
5 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)では、もの盗られ妄想が認められる。

解答:2
解説:正常圧水頭症は、脳脊髄液を抜くシャント術で治療が可能で、症状の改善の可能性があります。歩行障害が初期症状としてあらわれます。

問題81
認知症(dementia)の発症リスクを低減させる行動に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 抗認知症薬を服用する。
2 睡眠時間を減らす。
3 集団での交流活動に参加する。
4 運動の機会を減らす。
5 飽和脂肪酸を多く含む食事を心がける。

解答:3
解説:認知症の予防が確立されている訳ではないですが、他社との交流が有効とされています。

問題82
抗認知症薬に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 若年性アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type with early onset)には効果がない。
2 高度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)には効果がない。
3 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)には効果がない。
4 症状の進行を完全に止めることはできない。
5 複数の抗認知症薬の併用は認められていない。

解答:4
解説:様々な原因疾患に対して、薬が使用されていますが、完全に症状の進行を止める薬は今のところありません。

問題83
前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)の症状のある人への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 周回がある場合は、GPS追跡機で居場所を確認する。
2 甘い食べ物へのこだわりに対しては、甘い物を制限する。
3 常同行動がある場合は、本人と周囲の人が納得できる生活習慣を確立する。
4 脱抑制がある場合は、抗認知症薬の服薬介護をする。
5 施設内で職員に暴力をふるったときは、警察に連絡する。

解答:3
解説:前頭側頭型認知症では、社会性の欠如、常同行動などが症状としてみられます。常同行動とは、一見すると目的がないようなことを、繰り返すことです。

問題84
Cさん(78歳、男性、要介護2)は、4年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断を受け、通所介護(デイサービス)を週1回利用している。以前からパソコンで日記をつけていたが、最近はパソコンの操作に迷い、イライラして怒りっぽくなったと娘から相談を受けた。
介護福祉職が娘に対して最初に行う助言の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 パソコンの処分
2 パソコンの使い方の手助け
3 日記帳の購入
4 薬物治療について主治医に相談
5 施設入所について介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談

解答:2
解説:これまでの、パソコンを使ってきた生活をどうすれば続けられるかと考えたアプローチをしていく必要があります。

問題85
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で生活している軽度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)のDさんは、大腿骨の頸部を骨折(fracture)して入院することになった。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の介護福祉職が果たす役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 理学療法士に、リハビリテーションの指示をしても理解できないと伝える。
2 介護支援専門員(ケアマネジャー)に、地域ケア会議の開催を依頼する。
3 医師に、夜間は騒ぐ可能性があるので睡眠薬の処方を依頼する。
4 看護師に、日常生活の状況を伝える。
5 保佐人に、治療方法の決定を依頼する。

解答:4
解説:これから入院をするDさんの情報を、看護師に伝え、Dさんが混乱しないような対応、治療を依頼することが求められます。アドボカシーの一種と捉えることもできます。

問題86
Eさん(75歳、男性)は、1年ほど前に趣味であった車の運転をやめてから、やる気が起こらなくなり自宅に閉じこもりがちになった。そのため、家族の勧めで介護予防教室に参加するようになった。最近、Eさんは怒りっぽく、また、直前の出来事を覚えていないことが増え、心配した家族が介護福祉職に相談した。
相談を受けた介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「認知症(dementia)でしょう」
2 「趣味の車の運転を再開するといいでしょう」
3 「老人クラブに参加するといいでしょう」
4 「音楽を流して気分転換するといいでしょう」
5 「かかりつけ医に診てもらうといいでしょう」

解答:5
解説:この時点で、認知症と判断することはできませんが、Eさんの心身になんらかの変化があった可能性が高いと考えられます。まずはかかりつけ医に診てもらうことを勧める選択肢は適切です。

次回は、【障害の理解】から出題された問題を掲載いたします。

※引用:上記の各問題は、2020年(令和2年)第32回介護福祉士国家試験問題より抜粋
※この解答・解説は湘南国際アカデミー独自の見解によるものですので、実際の正解とは異なる場合があります。
※この速報の内容は事前の予告なく、内容を修正する場合があります。
※自己採点結果による「合否判定」のお問い合わせはお受けできませんので、ご了承ください。

※第32回介護福祉士国家試験の各問題の解答・解説に関しては、以下の科目群をクリックすると科目ごとに、解答・解説をしております。ご興味のある方はご覧ください。
[1] 人間の尊厳と自立[2] 人間関係とコミュニケーション
[3] 社会の理解
[4] 介護の基本
[5] コミュニケーション技術
[6] 生活支援技術 
[7] 介護過程 
[8] 発達と老化の理解 
[9] 認知症の理解 
[10] 障害の理解 
[11] こころとからだのしくみ 
[12] 医療的ケア 
[13] 総合問題 

Profile

この記事の監修

湘南国際アカデミー 総合支援部

江島 一孝

所持資格:介護福祉士・介護福祉士実習指導者・介護支援専門員・福祉用具専門相談員

担当講座:介護職員初任者研修実務者研修事業所内レベルアップ研修介護福祉士国家試験受験対策講座外国人向け講座・etc.

 元ユニットリーダー研修指導者。10年在籍した介護老人福祉施設の現場では、研修受け入れ担当者として、年間100名以上の研修生の指導にあたる。湘南国際アカデミーでは、介護職員初任者研修実務者研修介護福祉士国家試験受験対策講座の講師や介護福祉士受験対策テキストの執筆などを担当する傍ら、ケアする側もケアするという立場で、介護をする側のQOL向上のためのイベントや総合的なサポートを手掛けている。

 その他、介護事業所や医療機関などにおいて当校の「事業所内レベルアップ研修」の企画・提案・実施など各事業所用にカスタマイズする研修をプロデュースし、人材確保・育成・定着に向けた一連のプログラムを手掛けている。

 

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